蜘蛛の糸に絡まった兎ちゃん

□悪魔と兎と蜘蛛と
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カンナが男に連れていかれて2日が経った。やっと尻尾を掴んだ旅団はある廃墟の部屋へと近づく。


「いやだ!!」

『!!』

『間違いねぇ、アイツの声だ!!』


カンナの声とは思えないほど掠れ、怯えた拒絶の言葉に走って部屋に入る。
目の前にはあの男と椅子に座り目隠しをされ両手と首を鎖に繋がれた黒髪でショートヘアの女。
髪も服装も自分たちが知っているものと何一つ合致する部分が無くカンナなのか疑う。


『栞七、お前に客だ』


でも男は確かにカンナと、名前を呼んだ。
それまで目隠しを外してくれと懇願していたアイツはビクリと身体を反応させる。
男はニヤニヤと憎たらしい笑みを浮かべながら過去の話を始めた。


『俺は妻が死んだあと、コイツを監禁して毎日抱いていた。』

「…っ」

『あの時お前何歳だった?』

「10歳…」

『っな…10歳の娘を監禁して抱いてただと?!』

『とんだゲス野郎だね』

≪毎日遊んでたのに急に連絡も取れなくなってね、驚いたよ≫

『どれぐらい…続いたんだ』

≪2年間≫


神威の返答に蜘蛛のメンバーから殺気が溢れ出る。


≪2年もの間、栞七はろくな食事も与えられず窓もない部屋でベットに鎖で繋がれてたんだよ≫

『お前が来なきゃずっと俺と栞七は一緒に入れたのになァ、栞七』

「そ…だね」

『ふざけんじゃねぇ…!!』

≪俺と親父が助けた時の栞七は生きているのか疑うほど弱り切って声も出なくて目も暫く使い物にならなかった≫


マチがギリっと歯を食いしばる。


『それから星海坊主に、その餓鬼の父親に親権を奪われ俺と栞七は一切の関わりを持つことも許されず他人になったってわけだ』

≪油断したよ。まさかアンタがそんな装置を発明させてたとはね≫









「もう、いいだろ?俺はふーたんを好きでいる資格なんか―――」

『そんなこと知らないね』


俺の言葉を遮るふーたんの声は顔を見なくても分かるほど怒っていた。
なんで怒ってるの?俺が汚れてて幻滅した?


『俺達は今すぐにでもお前を攫える。』

「クロ…ロ」

『欲しいものは盗る、だが今回は特別にお前の意見を聞こう。ここに残ってこの男の性奴隷になるか、また俺達の…フェイタンの所に来るか』

「俺…は…」

『…』

「俺は…っ、言い成りになんかなりたくない…。ふーたんと一緒に居たい…」

『そうか』

「俺を、攫って…!!」


ボロボロと涙を流しながら悲痛に叫ぶと父さんに担がれ元の部屋に連れていかれてガシャンと金属音が聞こえて手を伸ばすと牢屋のような柵で閉じ込められていた。


『お前は意思なんか持つ必要ない!』

「んぐ…っ?!」


柵越しに顎を掴まれ小瓶に入った得体のしれない液体を飲まされる。
途端に身体が熱くなってその場に崩れ落ちた。


『カンナ?!』

『てめえ何飲ませやがった!!』

「あ…はぁっ…」

『媚薬だ』


熱い熱い熱い熱い熱い熱い。


『団長!』

『命令だ、即刻あの男を殺せ』


戦闘が始まったのかドゴォォと壁に当たる音が聞こえてくる。
媚薬で疼く身体を押さえようと理性を必死で保っている俺は、周りの気配に気づかず声がするまで傍に人がいることに気がつかなかった。


『カンナ』

「ふ…たん?」

『辛いか?』

「っだい、じょ…ぶ」

『も少しの我慢ね』


そう言ってふーたんは再び戦闘へと加わり、俺は息を荒げて飛びそうな意識を繋ぎとめる。
暫くすると誰かの断末魔が響き渡りしん…と静まり返った。


『カンナ、終わたよ』

「う…はぁ、ふーた…」


ガシャンっと柵を開けたふーたんが近づいてくるけど無意識に座ったまま後ずさってしまう。


『どうしたね』

「だ、め…頭おかしくなりそ…」

『…団長』

『あぁ、楽にしてやれ。他の団員は帰るぞ』

『助かるね。…カンナ』

「俺、汚いから…っ」


嫌だと言って後ずさっているとドンッと壁に当たり逃げ場がなくなる。


『なら、今から綺麗になればいいね』

「へ…?」

『ワタシで染めてやるよ』

「―――っ…俺、ふーたんと…一緒にいていい、の?」

『お前に選択権なんかないね。逃がさないよ』


鎖を千切られ、しゅるりと視界を遮っていた包帯を解かれて目の前に愛しい人の見たことのない優しい微笑みが現れて首にすがりつくように抱き着く。


「ふーたん…っ!!」

『だから、お前の全て寄越すね』

「ん…」


落ち着き始めていた身体はふーたんからの深いキスで再び熱を帯びた。


「はぁ…」

『……エロい顔』

「仕方ない…じゃんっ」


横抱きでベットに降ろされるとズキっと背中が痛む。


「いた…っ」

『!!』

「わっ」


身体を転がされてうつぶせになるとふーたんが息を飲んだ。


『アイツにやられたか』

「…うん」

『痛いの我慢するよ』


ぬるりと少しざらついた感触に傷口をなぞられて痛みが走ったけど、その痛みも快感に変わり、更にぴちゃっという厭らしい水音に聴覚も刺激されて甘ったるい声が漏れる。


「んぁ…っ」


傷一つ一つを舐め終わるとそのまま腰を上げさせられてふーたんにお尻を突きあげる体制になり顔が真っ赤に染まる。


「ちょ…ふーたん恥ずかしいって…!」

『ハ。良い眺めね』

「変態…」


ボソリと悪態をつくと覆いかぶさられていきなり挿入された。


「〜〜〜っ!!」

『は…っ』

「や、あぁ…」

『嫌?嫌ならやめるよ』


ずるりと秘部からふーたん自身を抜かれる。


「ちが…ふーたん馬鹿ぁ…」

『はは、わかてるよ。こち向いて座るね』


言われるがまま快感に震える身体を起こして座りなおそうとすると腰に手を回されて胡坐をかくふーたんの上に座るはめになった。


「え…」

『お前が痛くなくて顔が見れるのはこれしかない、ね』


“ね”と言いながら再びふーたんのものに貫かれて背中が反る。


「んあああ…っ!ふ、たんっ…」

『名前呼ぶね』

「ふあぁ…ふぇい、たん」

『何ね』

「だいす、き…」

『っ…馬鹿、そんなこと言たら…』

「ひゃあ…や、ふぇいたんっ…イっちゃ…!!」


どくんっとふーたんの熱が放たれて俺も絶頂を迎えた。







二人とも抱き合いながら肩で息をしているとふーたんがそういえば、と少し身体を離す。


「…?」

『髪と瞳の色』

「あぁ、これ…俺の元々の色。神威と神楽との兄妹感をリアルにするために染めたりしてたんだよ」

『なぜ短くなてるか』

「背中叩くときに髪が邪魔だったみたい」

『…そうか。それと、あの男に何回もやられた言てたね』

「…う、ん」

『2年間と昨日と今日か』

「うん…やっぱ俺汚―――」

『ならその回数越えればいいね』

「…………は?」

『奴がカンナに触れた回数を何年もかけて越えるよ』

「ふーたん子供みてぇ」

『な…!』

「嬉しい…ありがと」



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