蜘蛛の糸に絡まった兎ちゃん

□ご飯の時間は命懸け
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ドキ…ドキ…っ


な、なんねこの動悸は?!それに…顔、熱いよ…。
自室のベッドに寝転び激しく動く心臓に手を置いて服を握りしめる。
今日会ったばかりの女。
しかも“ふーたん”と、勘に触る呼び方をしてイライラしていた相手だ。
そんな奴の、寝顔を…


「可愛いだなんて…おかしいね」


実年齢よりも幼く見える、先ほど殺人を犯したとは思えない程の純粋な寝顔。
駄目だ、頭から離れない。
夕飯までにどうにかしなければ、フィンクスらにからかわれるのは目に見えている。


「むかつく女ね…」












「ん…?」

「あ、起きた」


あれ、マチだ。
俺あのまま瓦礫で寝てたのか。


「…まちー」

「こんなデコボコのところで良く寝れるわね」

「んー」

「ほら、寝惚けてないで飯だよ」


……めし?飯?
段々と覚醒していく頭と嗅覚。
食い物の匂いをとらえた俺は目をパッチリと開けた。


「飯!!」

「早く行かないとノブナガやウボォー達に全部食われちゃうよ」

「まじ?ちょっとノブ!うぼー!俺の飯!!」


マチの手を引き皆のところへ行くとすごい量の料理が並べられていた。


「はははっ!カンナおはよう」

「シャルおはよっ」

「早く座んねーと全部食っちまうぜ」

「ノブまじで呪い殺すぞ!」

「おう起きたかカンナ、こっち来いよ」

「はよ、フィン!」


意地の悪い顔をするノブにあっかんべーをしてフィンに誘われるままフィンとふーたんの間に腰を下ろす。


「ふーたんもおはよ」

「…今は夜ね」

「うわー…ふーたん意地悪」

「よし、揃ったな。いただきます」

「「「いただきます」」」

「いただきまーす」




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