蜘蛛の糸に絡まった兎ちゃん
□兎は兄妹が大好きなようです
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「クロロごめん、せっかくくれた着物汚れた・・・」
『また取り寄せればいい。それよりもシャワーを浴びて来い』
「うん」
『女なんだから頭から血を被るなんて・・・』
「んー、頑張る」
『おいフェイ』
『それ以上口開いたら殺すよ』
『・・・・・・(こいつ、気付き始めてんな)』
ピシャリと言い放ったふーたんに手を引かれて入ったのはふーたんの部屋。乱暴に浴室に押し込められてシャワーで血を流していく。
「ありゃ、髪に血固まってる」
固まってなかなかとれない血に悪戦してすっかり長風呂になってしまい、慌ててふーたんが用意してくれた・・・恐らく寝巻であろう長袖シャツにスウェットを借りて脱衣所を出るとふーたんがソファに座っていた。
「ふーたん、風呂と服ありが・・・と?!」
タオルを首からかけて近づくといきなり腕を掴まれてソファに押し倒される。
「ふー、たん?」
『・・・』
「っ痛・・・」
手刀で首に傷をつけられたかと思えばふーたんが首に顔を埋めてきた。俺は軽いパニックに陥り突き飛ばすこともままならない・・・というかふーたんの左手で両手を頭上で押さえているから動かせない。
「ひゃ・・・」
舐め、た?首・・・舐めた?ざらついた舌の感触に変な声が出てしまった。それに気を良くしたのか傷口に舌を這わせ甘噛みされる。
「ふ・・・た、ん」
『名前呼ぶね』
「フェ、イタン」
『・・・お前の血、甘いよ』
「んっ・・・知らな・・・」
『チョコばか食うからね』
首元から顔を上げたふーたんは馬鹿にするような笑いかたじゃなくてニヤリと口角を上げた笑みで、胸が高鳴った。何でかは、わからないけど。
「ふーたん、血見て興奮した?」
『(血を舐め取るお前に・・・なんて言えないね)』
「俺も強い奴殺した後はなかなか冷静になれないんだよなー。で、落ち着いたなら離してよ」
『悪かたな』
「んーん、いいよ」
ふーたんから解放されて二人ともソファに座りなおす。
「・・・」
『・・・』
「・・・」
『・・・』
「(なんだこの沈黙!!!)」
『なんで殺したか』
「え・・・なんでって、神威と阿伏兎を馬鹿にされて頭来て・・・」
『お前、ブラコンね』
「っはあ?!」
『兄ちゃんと妹大好きてバレバレよ』
そーですよ、俺はブラコンのシスコンですよ!!!!!!!
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