蜘蛛の糸に絡まった兎ちゃん

□蜘蛛くんと兎ちゃんがお出掛けするようです
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『あれ?フェイタン仲良さそうじゃないか』

『…黙るねコイツが強引なだけよ』

『カンナ、出掛けるのかい?』

「体動かさないとムズムズすんだよなー…っと、クロロ!ふーたんとなら外出てもいいよな?」

『あぁ、行ってこい』


マチとシャルとクロロに見送られて俺とふーたんは外に出た。勿論俺は番傘をさして。


『なぜ傘さすか』

「言わなかったっけ?俺の種族、日の光に弱いんだよ。たくさん浴びると死ぬし」

『ハ!弱々しい種族ね』

「うっさいなー」

『事実ね。そんなことより傘さすならもう少し離れるよ』

「やだ」

『歩きづらいね』

「んじゃふーたんも傘入れよ」

『ワタシ光弱くないよ』

「いーんだよ。てか、どっかで甘いもん食いたい」


無理矢理ふーたんを傘に入れて甘いものが食べれる喫茶店に案内してもらう。
俺は迷わずチョコパフェを頼み、ふーたんはコーヒーを頼んだ。


「んまーい」

『…』

「やっぱチョコはどの世界でもうまいんだな」


チョコアイスを口に含みにへっと笑う俺をふーたんは変なものでも見るようにじぃっと見つめている。
ふーたんも欲しいのか?と思いアイスを乗せたスプーンをふーたんの口の前に持っていけば顔をしかめられた。


『何ね』

「欲しいのかなーと思って」

『いらないね、ワタシ甘いものあまり食べない』

「たまには食べなよ、ほら」


ズイッと差し出せば迷いつつもアイスを食べてくれた。


「ど?」

『…甘いね』

「やっぱ無理か」

『でも…』

「?」

『悪くはないよ』

「…そっか!じゃあたまに付き合ってよ、俺チョコ食わねぇと死ぬ」

『甘いモノの食べ過ぎで馬鹿になたか』

「ひどっ」

『仕方ないからチョコ買てやるね』


聞き間違え…じゃないよな?ふーたんが俺に?


「まじでか!」

『お前に聞きたいこと山ほどあるね、ささと食えよ』

「聞きたい、こと?」


パクパクと平らげていきふーたんに聞くと見事なスルーでお金を払って外に出ていってしまった。


「ふーたん早い」

『お前が遅いねノロマ』

「の、ノロマ…」

『…』


ずんずんと進んでいくふーたんにちょこちょこと着いていくといきなり手を引かれる。


「へ…?」

『お前が迷子になたらワタシ怒られるよ』

「あ、うん…」


なんだこれなんだこれなんだこれ。心臓飛び出そう。



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