蜘蛛の糸に絡まった兎ちゃん
□ありきたりな出会い?ナニソレオイシイノ
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何か違ったか?とお姉さんを見れば溜め息をつきコートさんに丁寧に説明をしていく。
「ほう…それは興味深いな」
「なぁ、そろそろ離してくんない?」
「駄目ね、お前危険よ」
「ちぇ…ならいいよ自分でする」
グッと力を込めればブチブチと何かが千切れる音がしてやっと体が自由になった。
着物も肌も切り傷だらけになったけど。
やっぱりなんか糸みたいなんが巻き付いてたのか。
「あんた…」
「マチの念糸を千切るだと?!」
「いてて…ねんし?」
「何者だい、あんた」
「名前は栞七、種族は夜兎。」
「種族?…夜兎?」
「そういえばさっきから俺らのこと人間って言ってたな…お前人間じゃねぇのか」
「人間じゃねぇよ。ってかさ、そろそろ俺自分の船に戻りたいんだけど」
「船、だと?」
「うん俺の家」
「パクノダ、調べてくれるか」
コートさんが一人の女を呼び、じっと見つめられる。
わぉ、大人なお姉さんだ。
「あなたはどこから来たの?」
「んーと、今日は神威と仕事でなんとかって星で暴れてて…最後の一人殺そうとしてたら美術館にいたんだ」
「…団長、この子は嘘をついていないわ。まるで異世界から来たような―――」
pipipipipi
「…電話?出ても良い?」
「あぁ」
「もしもしー」
≪もしもし栞七かい?≫
「神威?」
≪そうだよ≫
「迎えに来てよ」
≪それがさー、星のどこ探しても見当たらないんだよね≫
「冷蔵庫のチョコケーキ早く食べたい」
≪俺の話聞いてた?≫
「えー、どうすんの」
≪元帥に調べてもらったけど、この星の奴らの発明品で別世界に飛ばされちゃったみたいだよ≫
「どうやったら戻れるわけ?」
≪さぁ?≫
「可愛い可愛い妹が見ず知らずの世界に飛ばされたんだぞ?なに、さぁ?って。殺しちゃうよ?」
≪別世界にいるのに?≫
「声で殺す。うん、なんか俺出来る気がしてきた」
≪君ってつくづく馬鹿だよネ≫
「…別に今更傷つかねぇぞ。傷ついてなんかねぇんだからな」
(超傷ついてるよ…何言われたんだ)
≪はぁ…とりあえず無事みたいだね≫
「まぁ」
≪ありがたいことに携帯は繋がるんだし、全力で方法を見つけるから暫くそっちで楽しんでなよ。≫
「はいはい。あ、神威?こっちに強い人間が何人かいるぜ」
≪へぇ…≫
「だから、暫くは退屈しないけどはやくしてな?」
≪うん、たまには電話よこしなよ≫
「ん。ばいばい」
プツリと電話を切り、パクなんちゃらって女の人に向かい合う。
「そーいうことみたい。俺のいた世界とここは別世界だってさ」
「今の電話、あなたの双子のお兄さん?」
「うん、じゃ俺行くから」
「どこに行くんだ?ここはお前のいた世界とは違うんだろう」
「んーどっか」
「行くところがないならここにいればいい」
「団長?!」
「いいの?」
「興味がある」
すると金髪の男が俺の肩に手を乗せる。
「ここにいなよ。団長は一度興味を持つと意地でも傍に置きたがるから」
「ふーん、じゃあ暫くよろしく」
「…ワタシ嫌ね」
「いいじゃねぇかよフェイ、お前気に入られてんだからよ」
「ふーたん俺のこと嫌いか?」
こてん、と首を傾げればふーたんは部屋を出て行ってしまった。
「ありゃ」
「気にするなよ、それから俺は熊さんじゃなくてウボォーギンだ」
熊さん、ハチミツ好きだったら爆笑だな。
「うぼおーぎん?」
「好きに呼べよ」
「じゃあ、うぼー」
「俺はちょんまげじゃなくてノブナガだ」
ちょんまげ…俺の世界の地球にもこんなのいたっけ?
「ノブな!」
「俺はコート男ではなくクロロだ」
コートさん、実はいい奴なんだな。
「クロロね」
「私はパクノダよ。パクでいいわ」
大人なお姉さん胸元ザックリだなオイ。
「ふむふむ、パクか」
「あたしはマチ」
変な糸使うお姉さん、超可愛い。
「マチ!」
「俺はシャルナーク。シャルって呼んでくれよ」
さっきの金髪イケメンだ、神威に似て腹黒そう。
「シャルだな」
「俺はフィンクスってんだ」
うわお、眉毛が迷子だぜ。つーか何その被り物。
「う〜ん、フィン?」
「フランクリンだ、好きに呼んで構わない」
熊さんの次にデカイ、いい人そうだけど。
「フランにする」
「ボノレノフだ」
包帯ぐるぐるだ、俺みたいに日光だめな奴?
「ボノかな」
「僕はコルトピ」
ほわー、ちっせぇ可愛い何これ。
「コルね」
「…これで全員?」
「いや、あと一人いるが滅多に来ないからその内会えるだろう」
なにはともあれ、元の世界に戻るまでの居場所が出来て良かったです。
あれ、作文?
。