自由気儘な猫

□怖いお知らせ?嬉しいお知らせ?
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相変わらず学校にいる時間のほとんどを睡眠で過ごし、放課後―――


「目がシパシパする…」

『全く、お前は寝過ぎだ』


今日はかすがと久々に遊ぶ約束をしていたからチカとではなくかすがと廊下を歩いている。


「まぁいいじゃん。それよりどこ行くんだ?」

『近くに美味しいと評判のケーキがある喫茶店がオープンしたらしくてな…甘い物が好きな知人と言えばお前しかいないし』

「ケーキ?!はやく行こうっ」

『ふふ、そう言うと思った』


かすがの腕に自分の腕を絡ませてニコニコと笑うあたしは不良には見えないだろう。
みんなの前、特にかすがの前では普通の女でいたいから良いんだけど。


『ちょっといいかしら?』

『なんだ貴様ら』

「……あ、昨日の」


廊下をかすがと寄り添って歩いていると曲がり角の所で昨日の女共が待ち伏せていた。
“昨日の”と言った途端にかすがから殺気が微かに放たれるのを感じて更に強くくっつく。


『覚えててくれたなんて感激だわ』

「なぁ、昨日も言ったけどさっさと用件言えば?いちいちムカつく」

『なっ!!』

『本当にアンタ生意気ね!』

「うるさいな。今から愛しのかすがとデートなんだけど」

『そうしてられるのも今のうちよ!アンタ、翡翠高校に追われてるみたいね』

『あたしら翡翠の男と知り合いなのよねー』

『明日にでも来るんじゃない?』

『ま、アンタが何をして追われてるのか知らないけど、翡翠の生徒全員を敵に回しちゃ只じゃすまないわよ』


うーん、翡翠を全員潰したのはあたしなんだけど。
まぁ退屈してたしもう一回潰すのも悪くない。


「明日、か」

『聖!!』

「じゃーあたしら行くから」

『怖けりゃ家に引きこもることね!』


ギャンギャン騒ぐ女の横をかすがの腕を引いて通り、靴箱まで早足で行く。
あのままだとかすが怒るだろうしな。


『聖!』

「……かすが、ごめん」

『謝るなら―――』

「あたし、親父に会いたいみたい」

『っ……』

「最初からそうだったはずなんだけどなぁ…、いつの間にか忘れてた」


こじゅと話して、親父の事話して思い出したんだ。
あたしは親父ともう一度暮らすために強くなりたいって思った事を。


『大きな怪我をしないと、約束してくれ…』

「…約束する。かすがを悲しませる事はしない」

『なら、もうわたしはなにも言わない』

「さんきゅ…」

『喫茶店、行くのだろう?早く行こう』

「ケーキ!!」








(久々の喧嘩)
(ワクワクしない訳がないよな)
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