自由気儘な猫

□お呼び出し
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「んじゃ、また明日な」

『wait!』

「?」

『なにかあったらtelephoneしな』


あたしの携帯を勝手に取り赤外線で番号を交換し出した伊達ちゃんに便乗して、さっちゃんやユキまでもが赤外線をし出した。


「……心配性だなぁ」

『今時の女の子は怖いからねー』

「あたしより?」

『……』

「ふはっ、行ってくる」

『とりあえず用事終わったら電話しろ』


チカに念を押されて、終わったらチカに電話、伊達ちゃんとさっちゃんとユキにはメール。
なにかあれば誰かにすぐに電話。
こんなに心配されたことがないあたしからすればなんともむず痒い。


「…ねみ」


指定された体育館裏(←ベタな場所)に腰をおろして欠伸を噛み締める。


『あら、逃げずに来たのね』

「………」

『偉いじゃないの』

「んなこといいから、早く帰りたいんだけど」


優雅に現れたのは五人の先輩であろう女子生徒。
睫毛バッサーの唇テッカテカの髪グルングルンの香水プンプンだ。
軽くむせる。


『っアンタ生意気なのよ!!』

『ほんと、いきなり転校してきてあの方たちにつきまとうなんて!!信じらんないわ!!』

『しかもアダ名なんかで呼んで!!何様よアンタ!!』

『不細工なくせに!!!!』

『アンタが関わっていいような方たちじゃないのよ!!』

「………」

『ちょっと聞いてんの?!』

「きーてますよー」

『っ生意気!!』


あたしの態度が気にくわなかったのか、一人の女が手を振りかぶった。
こんな女に殴られるのは嫌だったから手首を掴んで止めれば物凄く驚かれる。
あたしどんだけか弱く思われてたんだ?


『くっ……みんなやっちゃって!』

「―――っ」


バシャッ…


「冷た…」

『今日はこれぐらいで許してあげるわ』

『これに懲りたらもうあの方たちに近づかないことね!!』


効果音とあたしの台詞でわかっただろうけど…
あたしを殴ろうとした女にはかからないようにうまく、頭から大量の冷水をかけられた。
女共は水浸しのあたしを愉快そうに見て足早に去って行く。


「寒…っ」


今日はってことはまだ何かあるっぽいし、次は殴ろう。うん。
そんなことを決意しながら、さてこれからどうしようかと考えていると誰かが体育館裏に顔を覗かせた。


「ふぇっくし…」

『おい佐々木じゃねぇか』

「……馬鹿倉じゃねぇか」

『てめえ…!!って、なんでそんなにびしょ濡れなんだ?』

「色々あるんですー」

『…来い』



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