自由気儘な猫

□おともだち
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と、言うわけで放課後ですよー。
SHRが終わり生徒たちが徐々に帰宅していくなかあたしは欠伸をしてたいして役割を果たしていないスクバを背負い立ち上がった。


『おい佐々木』

「…………」


楽しそうに教室を出て行くチカたちに続いて出て行こうとしたら馬鹿倉に呼び止められて無言で振り返る。


『明日はちゃんと朝から来いよ』

「…気が向いたら」

『おい聖ー…って片倉先生じゃねぇか』

『長曾我部コイツ連れて朝から登校しろ』

『げ、まじかよ』

「うざい教師は嫌われんぞ〜、馬鹿倉センセ♪」


ニッコリと笑ってチカの腕を引いて伊達ちゃんたちを追いかけると後ろから怒声が飛んできた。


『佐々木てめえッッ!!!!』

「おーこわ」

『おい聖…小十郎になにしたんだよ…』

「アドバイス」

『あれのどこがアドバイスだ…』

「うざい教師は嫌われますよって。完璧アドバイスじゃんよ」

『コイツ片倉先生に馬鹿倉先生っつったんだぜ?!』

『なっ!!ば、馬鹿倉などと…』

『あちゃー』

「んなことより甘味!!」

『おお!!そうでござった!!』

『そんなことって…』

『やめとけ猿飛、アイツに何を言っても無駄だ』

『Ah〜……真田が増えた気分だぜ』

「ユキ、靴箱まで競争なっ」

『うむ!負けませぬぞ!!』


呆れている三人をほったらかしにして靴箱まで猛ダッシュ。


『ぜーっ…ぜーっ』

「やりぃっ」


勝ったのはあたし。
壁に手をついて肩で息をするユキの隣で伸びをしていると前の方から鋭い視線を感じた。


「………」


恐らく先輩であろう女が数人。
なんでだろうなんて考えは耳が痛い程の悲鳴で消え去る。


『『きゃあー!!』』

「っ?!」

『『政宗さまぁー!!』』

『『佐助さまーッ!!』』

『『元親さまっ!!』』

「……なるへそ」


どうやら厄介な連中と仲良くなってしまったらしい。
さっきあたしを睨んでいたのはユキのファンだな。
それにしてもチカにファンがいるのはなんだか気に食わない。


「ユキ、あたし先に門で待ってるから」

『?うむ、分かりました!』


黄色い悲鳴を上げて群がる女子共を避けてローファーに履き替えて校門へ向かう。


『聖さん!!』

「ヤス?!お前なにして…」


校門に立っていた男に名前を呼ばれて、驚けば一つ下の後輩である安田だった。



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