蜘蛛の糸に絡まった兎ちゃん

□蜘蛛の巣に捕まったお姫さま
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「へ?刺青?」

『そういや、入れてなかったなあ』

『こっち残ると決めたなら正式に迎え入れようと思ってな』

「蜘蛛のナンバー入り刺青?」

『あぁ』


ふーたんの身体にもあった数字の入った蜘蛛の刺青、蜘蛛のメンバーはみんな自分の団員番号と蜘蛛の刺青が身体のどこかにあるって言ってた。


「俺、蜘蛛に入っていいの?」

『はあ?駄目なわけないだろうが・・・』


わしゃわしゃとフィンに頭を乱暴に撫でられて肩を竦める。
それから今日の内に入れるのがいいと言う話になって・・・万が一、戦闘で服が破れてもあまり人目につかないだろう左足の内腿に入れた。


「・・・あれ?」

『どうした?』

「みんなと違うよな?」


俺のは蜘蛛の巣の上に蜘蛛と兎がいる刺青で、明らかにみんなと違う。


『団長・・・もしかして団員じゃなくてもっと違う存在にするつもり?』

「??マチ、どゆこと?」

『団長は頭、団員は手足、なら・・・カンナは?』

『蜘蛛の巣にかかった世界一の宝、とでも言うべきか』

「宝?何が?俺そんなすごいもの持ってんのか?」

『フェイタンだけの宝じゃないと言うことだ』

『はは。団長面白い事言うね』

『カンナ・・・アンタの存在が蜘蛛にとっちゃ宝なのよ』


俺が蜘蛛の宝?
た か ら?
TA KA RA?


「え、クロロもマチもふーたんも頭沸いた?大丈夫?おーいパク!!風邪かもよこの3にn」


バキッ

ドカッ

ガスッ


「いったー!!」


ふーたんに頭をしばかれ、マチに蹴られ、クロロには本でしばかれた。


『ちょっとフェイタンもマチも、団長まで・・・』

『だってさ、あたし達の頭がイカれてるなんて言うんだよこの子』

『どうしたのよ』

「俺が蜘蛛の宝だーとか言うから熱あるんだなって」

『・・・あたしも3人の意見に賛成ね』

「え゙・・・」

『俺もだ』

『俺も』

『ぼくも賛成』


パクだけでなくフランにフィンにコルまでもが・・・っていつの間に聞いてたんだよ。


『俺たちはお前の父からお前を盗んだ。その時からお前は俺たち蜘蛛の宝だ』

「・・・んー、難しくてわかんねぇや。とりあえず俺はみんなの仲間って証がもらえるだけで嬉しいし」

『っとに可愛いこと言うねアンタは』

『全くだ。さあ、もう寝るとしよう』


クロロの言葉でみんな各部屋に戻って行き、俺もふーたんも部屋に戻った。


「ねむー・・・」


ボフッとベッドに倒れ込み目を閉じるとベッドが軋むのを感じて再びうっすらと目を開ける。


『またく団長にはしてやられたね』

「ん・・・?」

『蜘蛛の宝』

「あぁ、おかしいよな・・・」


次の瞬間、首に冷たい感触を感じて目が覚醒した。


「へ・・・?」


自分の首に触れればチャリッと金属音がしてネックレスだと気付く。
逆十字架とスカルのネックレス。


『お前はワタシのものね』

「へへ・・・ふーたん大好き・・・」


ぎゅうっとふーたんに抱き着き睡魔に勝てずに眠りに落ちる寸前、唇に柔らかい感触があった気がした。



 

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