蜘蛛の糸に絡まった兎ちゃん

□みんなでお出掛け
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期限まであと5日。


「おーでーかーけーしーたーいー!!!」

『黙るね』

「ふーたんの馬鹿野郎!!」

『おいフェイタン、外ぐらい連れてってやれよ』

『面倒よ』

『フェイタン、そんなこと言ってると嫌われるよ』

「マチ、もっと言ってやってくれよ・・・」

『・・・嫌われる?』

『外ぐらい行ってやりなよ』

『・・・』

「むー、いいよいいよ!マチとかパクとかフィンとかノブとかうぼーとかクロロとか・・・」


そこまで言ってハッと口を閉ざす。そういえば、まだ行ったことないよな?


『どうしたの?』

「みんなで出掛けたこと、ないよな?」

『言われてみりゃそうだな』

『今日集まってるのはカンナとも特に仲良い奴ばかりだしな、行くか?』

「行く!クロロ、今日は仕事無いんだよな?」

『あぁ、食事にでも行くとするか』

「ふーたんも、いいよな・・・?」

『・・・仕方ないね』


今は夕方、夕飯を食べに行くことにして何を食べるかで話し合う。


『中華』

『焼き肉』

『絶対に中華だ』

『いーや、焼き肉だ』

「・・・」

『おいカンナどっちがいい?』

『そりゃ馬鹿みてぇに食うお前は焼き肉だよな!』

「どっちでもいーよ。腹いっぱい食えんなら」

『うるさいんだけど』

『じゃあマチお前はどうなんだよ』

『コインで決めればいいでしょ』


その手があったと早速ノブはコインを取り出し投げる。


『裏!』

『表!


・・・・・・チッ、裏だ』


どうやらうぼーが勝ったみたいでノブは引くほど落ち込んでいる。


「ノブ、今度俺と焼き肉行こうよ」

『!!なんていいやつなんだお前って奴は・・・』

『カンナ、あんまり甘やかしちゃいけないよ』

「なにをすりゃ甘やかす事になんの?」

『・・・わからないけど』

「わかんないのかよ」


クスクスと笑いながらふーたんの隣に座ると少し驚かれたけど特に気にすることもなく番傘の点検をしようと開く。


『・・・』

「ふーたん機嫌悪ぃ」

『そな事ないね』

「目つり上がってるし口ずっと固く結んでる」

『元々よ』

「もうちょいマシだぞいつも。最近は特に優しくなった」

『・・・なに言てるか』

「さぁ、俺もわかんない」


異常もない傘に一安心し、閉じようとした時―――

ちゅっ


「っ・・・ふーたん?」

『傘しかり持つね』

「ちょ、・・・っん」


傘でみんなから見えないのを良いことに後頭部を押さえられ深く口付けられる。


「ん、ふ・・・っ」


唇が離れるとふーたんは恥ずかしそうに顔を逸らして俺の名前を呼んだ。


『・・・今度、どか行くか』

「っほんと?!」

『どこ行くね』

「んー・・・適当に散歩とか。のーんびりしたいな」



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