蜘蛛の糸に絡まった兎ちゃん

□ご飯の時間は命懸け
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「ねぇカンナ、あなた食欲はある方?」

「???うん、俺の種族は飯6合ぐらい食うよ」

「…そう」


アジトに来て団員の名前を教えてもらい、クロロの命令で俺の見張り役兼世話役に任命されたふーたんの部屋にいるとパクに質問をされた。
それから数時間、アジトに誰も居ないことに気が付いく。
いや、正確には俺とパク以外だ。
パクはどっか部屋に籠っていて絶対に邪魔をするなと釘を刺されたから何があったのかも聞きに行けないし。


「どーなってんだ?」


パクが籠っている部屋以外はぜーんぶ見た。
探し疲れて俺は広間の瓦礫に寝転び帰りを待つことにした。数分で眠りに落ちたのは言うまでもない。













「つ、疲れたぁー…」


カンナが寝てから数十分。クロロ、シャルナーク、ウボォーギン、フランクリン、マチ、ノブナガが大量の食材を両手に持ちアジトに帰ってきた。


「畜生パクの奴…盗賊使いが荒いぜ」

「今回はパクじゃなくてカンナだと思うけど」

「そのカンナは夢の中、だな」

「叩き起こしてや…」


ノブナガが荷物を置き拳を握りしめてカンナに近付くも顔を覗き込んだ途端動きを止めたものだから、他の団員も何事かとカンナの顔を覗き込み表情を綻ばせた。


「すー、すー…んにゃ…」

「…随分気持ち良さそうに寝てるね」

「そっとしといてやろうぜ、コイツだって急に別世界に飛ばされて疲れてんだろ」

「あぁ、そうだな」

「団長あたしこの子気に入ったよ」


カンナの頬をぷにぷにしながらマチは微かに口角をあげる。


「マチが気に入るたぁ珍しいな」

「んぅ…ころ、す…チョコ…」

「……どんな夢だ」

「本当ににこんなちっこい餓鬼が飯6合も食うのかよ?」


信じられない、とカンナを眺めているとフィンクス、フェイタン、コルトピ、ボノレノフが大量の酒を抱えて戻ってきた。


「よぉ、お疲れ」

「おう。何してんだ?」

「カンナが寝てんだよ」

「数時間前に来た場所で良く眠れるね」

「ただの馬鹿ね、危機感無さすぎよ」

「お前らもこっち来て寝顔見てみろよ」

「ちょっとノブナガ、女の寝顔は―――」


見せ物じゃないよ。そう続く筈の言葉は異常に速いスピードで寝顔を見に来たフィンクスに呆れて声にならなかった。


「ほー」

「可愛いねー」

「さらに幼く見えるな」

「…」

「おいフェイ来いって」

「餓鬼のアホ面なんかみたくない……ね…」

「(固まった!!)」

「(カンナの寝顔見て魂抜かれてるよ!)」


数秒間カンナの寝顔を見て固まっていたフェイタンはハッと目を泳がせて「や、やぱりアホ面ね」と言って広間を出ていく。
耳まで赤くして。


「…おい」

「こんなことってあるんだ…」

「あのフェイタンが?」

「会ったばっかで鬱陶しがってた女の寝顔を見て…」

「惚れた…?」

「余計に興味が湧いてきた」




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