自由気儘な猫

□おともだち
1ページ/3ページ


『聖、起きろ!』

「すー…」

『ったく起きねぇぞコイツ』

『気持ちよさそうに寝てるねぇ』

『…そんな起こし方では起きないぞ』

『かすが?!え、聖ちゃんと知り合い?』

『…………』


ドゴッ

佐助の問いには答えずかすがは聖の頭に拳を振り落とした。


「ゔ……ん?」

『うわ…痛そー…』

『いつまで寝ているつもりだ』

「んぁ?あ…かすがぁ」


痛む頭を擦って顔を上げると拗ねたような表情のかすががいた。
傷つけたのに、こうして関わってくれるのが嬉しくてかすがの細い腰に抱きつく。


「かすが〜…」

『…頬、すまなかった』

「あーいいよ別に。慣れてるから」

『…頼むから、この学校では大人しくすると約束しろ』

「それはー………ここの生徒次第だね」


かすがから離れて欠伸をするとかすがは溜め息をはいてあたしに背を向けた。


『長曽我部頼むぞ』

『おー任せろ』

「かすがばいばーい」

『で?』

「腹減った、あんパン食べたい」

『……ほらよ』

「うわ、まじで持ってたの」


本当に持っていた事に驚き受け取ると軽く頭を小突かれた。
あたしにそんなことをするのは、ってか出来るのはチカとかすがだけだ。


「むぐむぐ…」

『あの、聖殿…』

「ん?」

『先ほど翡翠高校を潰したと……』

「?うん」

『だってあそこは不良校だろ?!』

「言うほど強くないよアイツら」


うーん…驚いてる。別にいいけど。
あたしにはかすがとチカがいりゃいいんだし。
はぐはぐとあんパンを完食するとチカがあたしの頬に手を伸ばした。


「チカ?」

『これどうしたんだ?』

「朝かすがにビンタされた」

『あぁそういやアイツ朝いなかったな…』

『聖ちゃんは不良なんだ…』

「うん、関わりたくなかったらお好きにどーぞ?」

『……HA!俺らはんなこと気にするようなちっせー奴じゃないぜ!!』

『そうでござるよ聖殿!!』

『そうそう、鬼の旦那だって不良だしね』

「……チカ」

『あん?』

「これって友達ってやつ?」

『ふっ…あぁコイツらはもうお前の友達だ』

「わー、友達って初めて」


かすがは親戚だし、チカは友達ってより家族みたいだし…
どうしたらいいんだろう、友達って。


「…友達って、なにすんの?」

『そうだなぁ…一緒にLunchだな』

『甘味屋に行くでござる!!』

『休日に遊んだり?』

「甘味…ユキ!今日行かない?」

『おお!!聖殿は甘味がお好きなのですか?!』

「好き好き!」

『ならば放課後行きましょう!』

『あ、俺も行こうかな』

『俺も行くぜ』

『んじゃ俺も』



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ