瞳に魅せられて

□いざ試験会場へ
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「じゃあ行ってくるね!!」

『気を付けろよ』

『頑張って来い』

『いつでも電話してきなよ?』

〔俺とハルキがいんだから大丈夫だっつーの!〕

『そうだな、ハルキがいりゃ大丈夫か』


黒いフードを被ったあたしとなーくんとはーくんは今日ここを出てハンター試験に向かう。
団員のみんなは心配そうに眉を下げて見送りの為に広間にズラリと並んでいる。
フィンがいない事に気分が落ち込むけどやっぱり家族に見送られるのは幸せだ。


『つーかお前ら上半身お揃いで行くのかよ』

「親子仲良く、ってね」

『まぁお前ららしいけどな』

「んじゃ、みんな元気でね!」


みんなに手を振ってアジトを出ると近くの瓦礫に凭れて煙草を吸うフィンがいた。


「フィン!!」

『おー来た来た』

〔じゃ、俺ら先に行ってるからよ〕

「うん」


気をつかってくれたなーくん達に甘え、フィンの隣に凭れる。


「フィンいなかったから驚いた」

『わりぃわりぃ、ちょっと用事があってな』

「結局見送りに来てくれたからいいけどね」

『目、閉じろ』

「……?」


言われた通り目を閉じればネックウォーマーの下に手を入れられ、ひんやりとする感触を感じた。


『いいぜ』

「っ…フィン、これ」

『まぁネックウォーマーで見えにくいが、我慢してくれ』


綺麗な瑠璃色の石のネックレス。


『お前の瞳みたいだろ?』

「こんなに綺麗じゃないよ」

『綺麗だっつーの』

「えへへ…ありがと!これ大事にするねっ」

『あぁ、無くしたら怒るぜ』

「あー怖い怖い…じゃあ、行くね」

『…行ってこい』


ぎゅうっと強く抱き合って行ってきますと手を振りなーくんとはーくんの元に走って行く。


〔ひm…レイ!〕

〔レイ、もういいのか?〕

「うん、行こう!」



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