瞳に魅せられて

□兄妹愛?それとも
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15歳にもなれば恋の一つや二つ、彼氏の一人や二人いてもおかしくない。


「はぁ〜…」


んだろうけど!
あたしは、一度も恋というやつを経験してません。
ていうか、兄ちゃんたちも姉ちゃんたちも、なーくんもはーくんも厳しいんですよ。
男と知り合おうもんなら次の日にはその男は何者かに暗殺されている。
誰にかって?愚問ですな!!


「みんなのせいでぇ〜」

『あら、なにかしら?』

「パク姉ちゃんたちが男を殺すから好きってゆーのがわかんないの」

『そうね。レイの年になると恋の一つや二つしたくなるわね』

「でっしょ?」

『でも、貴女気になる人がいるんじゃないの?』

「へ?」

『最近ジィッと見つめてるわよ』


最近見つめてる男の人って。


「っフィン、兄ちゃん?」

『えぇ』

「ま、ままさか!!だってあたしたち兄妹だし」

『確かに兄妹だけど、あたしたちは家族だけど…その前に人間でしょう?』

「そうだけど…」


確かに、パク姉ちゃんの言う通り最近やけにフィン兄ちゃんを瞳で追ってる。
気付けば見つめてるし、四六時中フィン兄ちゃんの事を考えてる気もする。


「ずっとフィン兄ちゃんの事、考えてるの…ほんとはもしかしたらって、思ったけど兄妹だしって」

『…まぁ、兄妹愛っていうのもあるわよ?』

「うん…」


パク姉ちゃんを好きって気持ちは兄妹愛。
ならフィン兄ちゃんは?


『フィンクスちょとこち来るね』

『んだよ、お前についてって良いことがあった試しがねぇんだが』

『新しい拷問器具手に入れたよ身体貸すね』

『ぜってー嫌だ!!』


なんだろう、こう胸がきゅうっと締め付けられるような感じ。


『…それが恋よ』

「っパク姉ちゃん!!」


あたしの肩に手を置いてニコニコとするパク姉ちゃんにあたしは顔を真っ赤にして睨む。


『ふふ、可愛いわね。なにかあれば相談に乗るわよ?』

「う〜……あり、がと」


あたし、レイ15歳は今日お兄ちゃんに恋をしました。



 

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