瞳に魅せられて

□新しい家族
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なーくんにたかいたかいをしてもらって、はーくんに肩車をしてもらって遊んでいるとおにーちゃんのお友達が帰ってきた。


『おい、この莫大なオーラはなん……子供?』

『あぁ団長、俺が拾ったんだ』

「だんちょーだんちょー」

『……可愛いな』

〔てめ、姫に手ぇ出したら殺すぞ!〕

「なーくんだめっ」

〔う…〕

「おにーちゃんのおともだちだからだぁめ」


怒りっぽいなーくんを見上げてプウッと頬を膨らます。


『団長一体なに…』

『おいおい、なんだこのガキ?』

『それより後ろの二人だろ』


ぞろぞろと集まってくる人たちは警戒しながらもわたしをまじまじと見る。
アフロのおにーさんは頭をぽんぽんと撫でてくれた。


「わぁー、はーくんはーくん!」

〔なんだ?〕

「だれもあくまっていわないよっ」

〔……あぁ〕

「かみひっぱらないし、きみがわるいともいわないよ」

〔そうだな〕

「おんぶしてくれたしあたまなでなでしてくれた!」

〔人間にしてもらうの、初めてだったっけ?よかったじゃん姫〕


にひひーっとはーくんとなーくんに笑うとみんな変な顔をする。


『お前、親の記憶あるんだろ?』

「ふぇ?うんあるよ」

『ならなんで…』

「わたしいらないこだもん」

〔姫、そんなこと言うなって俺たちいつも言ってんだろ?!ほんとに怒るぞ!!〕

〔ナツキやめろ〕

〔やっぱり姫は地上にいちゃいけな―――〕

〔ナツキ!!〕

〔っ……〕


いつも優しいはーくんとなーくんが、怒った。
なーくんはわたしに怒って、はーくんがなーくんに怒った。
はーくんはごめんって言いながらなーくんを連れてホームを出ていく。
ごめんなさい、なーくんお約束破ってごめんなさい。


「っはーくん、なーくん!!」

〔すぐ、戻る〕


はーくんの怒った顔、初めて見たよ。
わたしのせいでしょ?
ごめんなさい、いい子にするから行かないで……!


「や…はーくん!!」

『落ち着け』

「おにーちゃん!だってはーくんとなーくんがどっかいっちゃう…っ」

『アイツらは戻ってくる。大丈夫だ』

「っほん、と?」


おにーちゃんがわしゃわしゃとわたしの頭を乱暴に撫でてニッと笑った。
どうしてだろう、おにーちゃんが言うなら大丈夫かなって。


『あぁ。俺はフィンクスってんだ』

「フィン、おにーちゃん?」

『そのおにーちゃんっての、やめねーか?』

「おにーちゃんほしいのーっ」

『…好きにしろ』

「わーい!ねぇ、おにーちゃんはだれ?」

『フェイタンね、お前気に入たよ』


微かに口角を上げたフェイ兄ちゃんはわたしの頭を撫でる。



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