二度目の人生

□城下に行こう
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「よし、城下に行こう」


ということで城下に来ています。
この世界に来て一週間が経ちました。
城内ではちゃんと真田幸村の姉、舞桜衆の頭領って事実を信じてもらえたし、すっかりみんなと仲良くなった。
でも城下には行ったことがなくて、信さんが治めているこの地は前から見て回りたかったんだ。


「幸村!早く行くぞ!!」

『はい姉上!!』


色違いの着流しを身に付けた幸村に城下を案内してもらうことに。


「幸村、ここでは姉上じゃなくて名前で呼んで」

『し、しかし』

「町の人に変な気を使わせたくないしね」

『うむ……では#NAME1##、某の行きつけの甘味処に参りましょう!!』

「よし行こう!」


オススメの甘味処につくと幸村は団子やら餡ころ餅やら大量に頼み、ニコニコと笑っていた。


「俺の好物も頼んでくれたんだ?」

『もちろんでござる!!』

『はい、団子に餡ころ餅です。……おや、見ない顔ですねぇ』

「あー俺最近ここに来たからさ、柚稀ってーの」

『柚稀ちゃん……可愛い名前ですね』

「あはは、ありがとっ」

『柚稀は人々と仲良くなるのがはやいでござりますな!』

「そういう幸村こそ好かれてんじゃん」

『某は城下が好きでござる故!』


運ばれてきた団子と餡ころ餅を平らげた俺たちはブラブラと町を歩き、いろんな人と立ち話をしていた。


『柚稀様!』

「お、翔どうした?」

『勝手にいなくならないでください!』

「むー……ごめん」

『全く、何も変わられてない』

「だって俺だもん。お前らがよく知ってる、な」


例え別の時代で何年も過ごしてようと俺は俺。
この一週間、幸村を筆頭に舞桜衆の野郎共は俺の姿がいきなり見えなくなるとすごく不安がる。
一度俺が死んだからなのか、突然もとの世界に帰ってしまうのではという心配なのか……


『貴女さまは……!!』

「お前らが不安にならないまで、俺はフラッと出掛けるよ」

『なにゆえそのような事を?』

「俺はもういなくならないから」


そう言って微笑むと二人ともくしゃりと顔を歪ませた。


「ま、そろそろ帰るか。翔、帰ったら猿飛と幸村と四人でのんびりしたいな」

『俺はいいですけど猿飛殿は……』

『きっと良いと言うでござる!!』

「んじゃ餡ころ餅買って帰ろうぜー♪」

『うむ!団子も買いとうござります!!』



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