自由気儘な猫

□編入します
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『俺が呼んだら入ってこい』


教室について馬鹿倉はそう言って先に入っていった。
今は一時間目が終わった直後らしく、次は馬鹿倉の授業らしい。
めんどくせーな…帰ろうかな。
なんて思ってくわえている飴を味わっていると呼ばれた。


『おい入ってこい』


めんどくせぇ。シカトしてやろう。
ムカつくし。


『……てめえ』

「あーはいはい」


怒気が教室から伝わってきて仕方無しにドアを開けて中に入る。


『っ聖?!』

「チカぁ?!」


白銀の髪で右目に眼帯をした男、元親が椅子をひっくり返して驚愕の声を上げた。
チカとは中学で一度喧嘩してから頻繁に絡んでいた。
お互いの家に泊まったりもしていたし、家族みたいなものだな。


『おまっ、なんっ』

「椅子倒してやんのーだっせぇ」

『っうるせぇ!!』

『なんだ?知り合いがいるのか』

「何人かいる」

『そうか、コイツが転校生の佐々木 聖だ』

「…で?あたしの席は?」

『先生俺の隣でいいだろ?』

『あぁ好きにしろ』


上機嫌であたしに手招きをするチカの隣、窓際に座ると前の席の男…伊達ちゃんだ。
伊達ちゃんが後ろを振り返った。


『よぉ』

「伊達ちゃんさっきぶり」

『あ?なんだよてめえら知り合いか?』

『職員室まで案内してやったんだよ』

『へぇ。ってかお前なんでこんな所に……』

『はじめましてー、俺様は猿飛佐助』

『某は真田幸村でござる!!』


真剣な顔になったチカの上に体重をかけて身を乗り出した二人は人懐っこい笑みを浮かべている。


「さっちゃんにユキね。チカの友達?」

『一応ね』

『ってめえらどきやがれ!!聖!俺の質問に答えろ』

「大体想像ついてんでしょ?」

『…退学か』

「うん」

『何やったんだよお前』

「翡翠校の生徒全員潰しただけー」


ダラーっと机に突っ伏しながら言うと伊達ちゃんにさっちゃんにユキに…チカまでもが固まった。
まぁあそこ結構有名みたいだし、驚くのかもなー。


『おい…!』

「ん…?」

『翡翠って有名な不良校の……?』

「うん…ってか、眠いから後にし…て……」

『は?おい、聖?』





(すー…すー…)
(駄目だ)(完璧寝やがった)
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