瞳に魅せられて

□脱落者狩り
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走ること数分、濃い霧のせいで前の人とはぐれたあたしらはなぜか受験生に囲まれていた。


「うーん、なんで?」

〔知らね〕

『お前らも脱落者だ!!』

「いやいや、あたしら大丈夫だよ」

『もう先頭集団には追い付けねぇよ!!』


騙されて死んでいった他の受験生を見た恐怖から気が狂ったのか不器を手に一斉に襲い掛かってくる。
あたしは溜め息をつき、なーくんに狩っていいよと言いフードを深く被り直す。


〔おうよ!丁度退屈してきたところだったんだ〕

『ぎゃ、あああああああ!!』

「あ、電話……ヒソカじゃん。もしもしー?…うん、大丈夫。…やっぱヒソカも?なーくんも今脱落者狩ってるとこ。終わったらすぐ行くから…うんありがと」


電話越しでも分かるほどヒソカはご機嫌だった。
青い果実を見つけたとかよくわからなかったけど、二次試験の会場の場所を知っているか心配してくれたみたい。


「ヒソカも結構良い人だよねー」

〔そうかぁ?〕

「お、なーくん終わったんだ。二次試験の会場そろそろ向かった方がいいよってさ」

〔楽勝。行くか〕


人間離れした五感を使い、二次試験会場へと向かうためにあたしらは死体の山をあとにした。


『レイ』

「ヒソカ、間に合ったんだ?」

『当たり前さ★』

〔お前あの金髪と知り合いか?〕


なーくんが指差す方向には顔面が腫れた男の側にいるクルタ族の男。


『知り合いじゃないよ。彼がどうかした?』

「んー…同族っていうのかな?」

『彼がクルタ族の生き残りってことかい?』

「たぶんね。で、この音はなに?」

『さぁ★もうすぐで正午だから待つしかないみたいだねぇ』


ゴオォォォォォという音を響かせながら建物の扉が開き女と馬鹿デカイ男が現れた。
物凄い音は男の腹の虫だったようで、あの二人は美食ハンターなんだって。
てわけで、二次試験の内容は料理!


『豚の丸焼き!!』

「それって料理なわけ?」

〔いいじゃねぇか、楽だし〕


開始の合図と共に散り散りに走っていく受験生の後を追うように森に入ると厳つい豚がいた。
突進するタイプだからか鼻が頑丈そう。


「よっと」


高くジャンプして脳天に拳を振り落とせば簡単に倒せた。
なーくんもあっさりと捕獲し、適当に表面だけ焼いた豚を男の前に持っていく。


『あら、アンタたち速いのね』

「楽勝楽勝♪」


他の受験生が来るまで女の試験官、メンチさんと話をしてなんだか少し仲良くなった。


『二次試験前半、70名通過ーっ!!』

「んー、メンチさんの出す料理は難しそうだね」

〔俺ら料理出来ねーよ〕



 

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