short
□霧野蘭丸
1ページ/1ページ
夢主神童の妹設定
神童シスコン注意
〜神童視点〜
「おい神童。いい加減名前を俺にくれないか」
「いくら霧野でもそれだけは聞けないな」
霧野はある日を境に毎日こう俺に要求するようになった。いくら信頼している霧野であっても一つ下のたった一人の可愛い妹を譲るわけがない。因みにある日と言うのは3ヶ月ぐらい前に遡るが、霧野は同じ中学生と言えども別の中学に通っている名前とはあまり会えなかったがその日久々に偶然あった霧野が隣でぼそりと
「名前・・・可愛くなったな。」
俺はこれを聞いた時嫌な予感しかしなかったがそれは当たりらしい。
「なぁ神童。会うだけ・・・会うだけでいいから!名前はいつ帰ってくるんだ!?」
「いつもは俺が夕飯食べ終わる時辺りに「泊まりに行くわ。今日オッケー?」いやいや・・・」
いくら何でも急すぎる。しかし会うだけ会わせて大人しくなるならそれもいいかもしれない。
「じゃあ名前が休みの時に部活に見学に来させるよ」
「神童・・・お前・・・いい奴だな」
いつもの男前な性格はどこへ行ったんだ。段々明かされていく親友の姿に思わず顔がひきつった。
夕飯を食べ終わり部屋に帰る途中で帰ってきた名前と鉢合わせした。
「名前、おかえり」
『ただいま兄さん。』
「名前、ちょっといいか?」
『うん?なぁに?兄さんからお話なんて珍しいね』
「あ、いや霧野がな?お前に会いたがってるんだが・・・名前はいつ部活休みだ?」
『蘭丸さんが!?私丁度今週の土曜日休みなんだ!』
嬉しそうに俺の手を掴んでぶんぶんと振る名前。腕は鍛えてないから出来ればやめてほしい。
「じゃ、じゃあ雷門来るか?」
『行く!絶対行く!じゃあ私ご飯食べてくるね!』
長い廊下を跳ねるように歩く名前を見送ってから霧野に、土曜日来るからとメールを送ると、すぐに返信が来て、了解と一言だけの文章だったが実際ではベッドが壊れるぐらいにジャンプしてるんじゃないかと思う。あくまで俺の想像だが。
皆の注目を集めながら、ベンチにちょこんと座る名前。髪の質か何かなのかすぐに「神童の妹さんか?」とか「キャプテンとそっくりですね!」なんて言われた。肝心の霧野が来たのは俺達が来て五分も経たないぐらいだった。
「名前!ひ、久しぶりだな!」
『あ、はい!お元気そうで何よりです!』
名前もベンチから立ち上がって霧野に一礼する。
『あ・・・部活頑張ってください・・・その、応援してますから・・・』
「あ、あぁ。ありがとう名前」
お互い真っ赤になって言葉を紡ぐ様子にまさかとは思ったが浜野が横から
「あの二人って両思いなのー?」
俺が信じたくなかった事を軽々と口にした。頭が鈍器で殴られたような感覚に陥った俺を差し置いて名前達の周りはピンクのオーラが漂っていた。
「霧野・・・」
「何だ神童!俺今すごいお前に感謝をして・・・」
「名前は二度と連れてこない」
「何で!?」
まだ俺は名前をどこかにやる事は出来ない。
201110292244