ブルーベリー依存症

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毎日かかってきた電話は来ない。
気持ち悪いぐらいにきたメールは来ない。あぁ、私達別れたんだ。なんて実感させられる。まさか篤志がいない事がこんなにも寂しい生活だったなんて・・・・・・付き合いが長すぎて忘れてた。気づくと何度もメールを確認するため開いている携帯。私自身こんなに篤志に依存してたのか・・・・・・。
別れてから一週間。いつもは喧嘩しても篤志から三日以内には謝罪メールか電話が来るのに。学校では目が合ってもすぐ逸らされて、クラスの男子と話してても何も言いに来ない。そのせいかこの一週間で二人に告白された。断ったけど。


「まーだ仲直りしてないんすか・・・・・・」


『倉間君・・・・・・』


倉間君は巻き込んでから三日後辺りから、心配して私に会いに来てくれている。
だったらいっそ付き合ってくれればいいのに。


「南沢さんいなくなってから先輩、痩せました?」


『うーん・・・・・・何か食欲なくて、たまにコンビニでおにぎり一個買って後はお茶とか水かなぁ・・・・・・』


「は!?おにぎり一個に水!?倒れちゃいますよ!?」


『大丈夫だよ、元々そんなに食べる方じゃないし』


「いくら何でもそれは倒れますって!パンかなんか奢りますから購買行きましょう!?」


『大丈夫だから・・・ありがとう、倉間君・・・・・・あのさ、何でそんなに私の事心配してくれるの?』


「え、まぁ、あの場に居合わせたのに何もしないのは俺もモヤモヤしますし・・・・・・」

サラリと言う倉間君の言葉はまったくの素直な言葉で、あ、素で優しいんだなって思った。もしかしたら篤志がいないこの心をこの子は潤してくれるんじゃないか、彼なら浮気もしないし、ずっと私といてくれるんじゃないか・・・・・・。
いつの間にか私は倉間君の手を掴んでいた。

「な、なんすか?」


『ねぇ倉間君、私と付き合ってよ』


「は、な、何言ってんすか・・・・・・冗談でしょ?」


『冗談じゃないよ』


そのまま彼を後ろに倒し、倉間君の腰の上に馬乗りになった。


「ちょっ・・・・・・!何してんすか!」


『既成事実って知ってる?』


「馬鹿な事言ってないで降りてください!」


『いや。』


「は!?」


ジタバタと暴れる倉間君、私もしっかり掴まって抵抗したけど結局男の力に敵うわけはなかった。彼が起きた衝撃で私は地面に落ち、尻餅をついた。


「あ、すみません、大丈夫ですか?」


『大丈夫、何かぐらぐらするだ・・・・・・』


何だか急に頭が痛くなった。起きたくても起きあがれない。


「先輩!?先輩!」


揺すられる体。倉間君に呼ばれてる・・・・・・。返事しなきゃ・・・・・・そう思っては徐々に視界は黒に染まっていった。



20120205

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