wing arch

□14
1ページ/1ページ


天馬と会ったのは沖縄の暑い暑い日。
四歳の頃。
四歳の私が初めて天馬を見た感想。


『くるくるしてるね』


「え?」


小さな犬・・・(後にサスケと知る)を抱いて振り返ったくるくる髪の男の子。


『何々、犬?可愛いね、少しだけ』


なんて言うと天馬は「サスケ可愛いもん!」と怒りだした。昔から素直な子だね。


『チミは友達犬しかいないの?』


「う・・・・・・」


『寂しいね、くるくる』


「ウック・・・・・・」


泣かれた。
ちょっまるで私が泣かしたみたいじゃないかあー。私か。


『よ、よし!私が友達になってあげるから!ね?』


「本当?」


『男と男のお約束です。』


「え、キミ男の子なの?」


『女の子です。風子って呼んでね!あ、風子様でも・・・』


「風子、ヨロシク!」


『・・・・・・まぁいいや。じゃあ遊びにいこうか』


「うん!!」












『天馬、トーキョーって所にいくの?トーキョーってどこ?宇宙?天馬宇宙人なの?』


「海の・・・ずっと向こう」


『わ、私も行きたい。私もトーキョー?ってとこ行きたい』


「・・・・・・一緒に行く?」


『本当に!?行く!』


「でももしかしたら・・・沖縄、戻ってこれないかもしれないよ?」


『私天馬と離れるよりそっちのが絶対いい!だって天馬は私の一番大切な友達だからね!』














『・・・・・・人多いね。』


「うん」


『星、全然見えないね。』


「うん」


『私、トーキョーでやってけるかな?』


「風子は俺が守るから大丈夫だよ!」


『・・・・・・出来るのかい?くるくるからコロネへと変わった君に』


「髪は関係ないよ。でもなんとかなる・・・なんとかなるさ!」









『・・・・・・またサッカークラブのテスト落ちたの?』


「でも頑張らなきゃ!諦めないぞー!」


「天馬ー」


「葵!」


『だれ?』


「空野葵です!よろしくね?」


『うん、ヨロシク。』






いつの間にか天馬の周りには人が沢山いて、私は特等席を奪われた気分になった。




201112082323

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ