wing arch

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古びた階段がギシギシ鳴って私の部屋の前で止まった。誰か来たなと思いながら私はサスペンスドラマを煎餅片手に見ていた。私はよい主婦になるかもしれない。


「風子ー入るよー?」


ガチャ


『おー天馬ー。どした?』


「洗濯機回したいんだけどー・・・ってなんて格好してるんだよ!」


『え、キャミに短パン、頭はぼっさーそれでも心は乙女、そして今主婦になろうか検討してた』


「じゃなくて!」


『あー。洗濯機今回してて、洗濯ためすぎたせいか着るものこれしか無くて、とりあえず手で隠してるつもりなのか知らないけど指の隙間から見るなよ。見るなら堂々見なさい!』


「と、とにかくジャージ貸すから!はい!」


バサッ


『・・・これはでかいジャージを私に貸してチビと罵っているのかい?喧嘩売ってる?かかってこいや!私の究極武器殺虫剤嘗めんなよ!』


「違うってば!目のやり場に困るから!お願いだから着てよ!そして洗濯機から早く自分の洗濯物だしてよ!使えないじゃないか!」


『えー』


とりあえず今さっきまで天馬が着てたジャージを羽織るとまだ温かくてほわぁ〜となる。温かいね。さすがに少し寒かったからありがたいよ。


『私ここから動きたくないから使いたいなら適当に私の洗濯物籠にいれて持ってきてー』


「もー!!」


半分諦めたように自分の洗濯物を持って下に降りていく天馬。
うん。あれは結婚したら尻に敷かれるタイプだね。円堂監督も敷かれてそうだけど。そういえば私の洗濯物の中に下着とかめっちゃあったけど・・・


「風子ー!!」


天馬に無理矢理引っ張られて洗濯機の前に連れていかれるのは30秒後の話。



201111152020

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