wing arch
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『わぁたしは〜なぁぜぇー部室の掃除をしているの〜♪それはぁ〜天馬が寝てたからぁ〜』
「風子だって忘れてたんだから同罪だろ!?」
『え、私達一緒に寝た仲なのにそういう事言うんだへぇー』
「ちちち違うって!何か引っ張ったのは覚えてたんだけど風子だと思わなかったんだって!」
『言い訳いくない』
私がどれだけプルプルと生まれたての小鹿になってたと思ってるの。君の顔めっちゃ近かったからね。それで朝練遅刻してキャプテンに正座させられてのこの状態だよ!
「と、とにかくそれに関しては終わろ?ね?」
『あれか。てめぇみてぇなボロ雑巾を間違えて掴んだのは一生の不覚って事か!』
「何か早口すぎて何言ってるか分からないけど風子は雑巾じゃないよ!」
『あれ、ボロが否定されなかった・・・私はもう女としてボロボロだって事かあぁぁ!』
「うわっ!ちょっ痛いよ風子!!箒危ない!」
ガッ
『あ』
私の振り回した箒はロッカー上の段ボールに衝突。中には沢山の機材やら何やらが入ってた訳で、それは私の上に降り注ごうとしていた。
「風子!」
『うわっ!』
ガシャンガラガラガラガラッ
塵埃が舞って息を吸うたびにむずむずする。ってあれ?何で息吸えてんの・・・?
「風子、大丈夫!?」
しっかりと天馬に引き寄せられて細かな物すら当たらないようにいつの間にか逞しくなってきた腕が背中に巻き付いていた。
顔をあげると朝と同じぐらい近い顔。
『て、天馬・・・』
ガチャッ
「おい松風、凄い音したけど・・・お邪魔しました。」
『ちょっ剣城いいぃぃぃ!!誤解!誤解だから閉めないで!私達じゃこの機材上まで届かないから!!手伝えええぇぇ!!』
「離せ朝比奈!おい松風コイツ何とかし・・・」
「うわあぁぁ・・・風子思い切り抱きしめちゃった・・・めちゃくちゃ柔らかかった・・・ああぁぁ・・・」
「松風ええぇぇ!!」
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