ブルーベリー依存症
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『あ〜・・・・・・やっぱ体重落ちてるな〜。ラッキーなんだか何なんだか・・・・・・』
ベッドのカーテンを閉めて服を下着になるまで脱いで拝借した体重計の上に乗ると前計った時よりも5キロほど数字が小さくなっていた。痩せるのは嬉しいけどここまで来るとさすがにヤバい。
体重計から降りてブラウスを着ようと手を伸ばした瞬間シャッという音と共にベッドの中に光が射し込めた。
『・・・・・・は』
ブラウスを腕に通した状態で固まる。
こんなデリカシーがない事をする奴は私の知る限り一人しかいない。
『篤志・・・・・・』
「よお」
久しぶりに話した。
『あんた本ッ当ーにデリカシーないわね』
でも皮肉しか出てこない
「お前の下着何て見慣れてるしな」
もう一度やり直したいのに
『でも今私達そういう関係じゃないから、ほら、出てって』
出てくる言葉は全て逆効果
「ヤダ」
篤志の言葉一つ一つで泣きそうになる。
『出てけ変態!』
篤志の胸を思い切り押してやろうと手を思い切り突き出すとその手首を掴まれて引き寄せられ、抱き締められた。
「本当だ。最後に抱いた時と感触がちげーや」
『は、離してよ!』
「やだって言ってんじゃん」
『あんたは新しい彼女とでもイチャイチャして来なさいよこのナルシスト!』
「聞けよ詩。」
『離せー!離してよー!助けて倉間く・・・・・・』
そう叫ぼうとすると背中が布団に叩きつけられた。
「俺はまだお前が好きだ。てゆーかお前以外好きになれねえ」
『で、でも・・・・・・』
「あれは一回抱き締めたらスッパリ諦めるって言ったからやっただけだ」
『あんた諦めるって言われたら誰にでもそういう事すんの?』
「・・・・・・・・・悪かった」
暫く考えてどうやら自分の間違いに気づいたようで私の腕を引っ張り起こしてベッドに座らせる。
『私もさ、案外あんたに依存してた・・・・・・篤志が近くにいなくなって凄い、寂しかった』
「詩・・・・・・キスしていいか」
『・・・・・・どうぞ』
保健室のカーテンが窓から入った風で舞い上がると同時にカーテン越しの影が一つになった。
「帰りはファミレスでも寄ってくか」
『え、何で』
「お前を丸々太らせて食わないといけないし」
『あんた私に太ってほしいの?』
「前の体重には戻して貰いたい」
『あ〜・・・・・・』
「チーズハンバーグと山盛りポテトとエビグラタン、それにピザでも食わせれば何とか戻るかな」
『いやいや無理だから』
やっぱり私は篤志が隣にいないとご飯を食べる事も笑う事も出来ないようだ。
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