ブルーベリー依存症
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『・・・・・・あつ・・・・・・し』
ぼやけた視界にうかぶ人影。思わず手を伸ばすと、だんだん視界がハッキリしてきた。さっきまで一緒にいた篤志よりも小さめで肌黒の影。
「すみません、南沢さんじゃなくて」
『倉間君・・・・・・』
顔だけ横に向けるとどうやら保健室のようだ。
「先輩倒れたんッスよ。やっぱ栄養失調らしいんできちんと食べてください」
『・・・・・・うん・・・・・・ありがとう』
あぁ、大丈夫だと思ってたのにな。私が体を起こそうとすると倉間君が背中を支えてくれた。篤志がこれを見たら怒るかな・・・・・・あ、もうそんなこともないのか。
『今何時?』
「え、4時ですけど・・・・・・あぁ!俺部活行かなきゃ、先輩スミマセン部活いってきます!」
『あ、うん。頑張って』
鞄の紐を乱暴に肩にひっかけ、躓きそうになりながら保健室を出た倉間君に手をひらひらと振ると、私はベッド下に置いてあった鞄から携帯を取り出す。新着メールはない。
「うわ!南沢さん」
「倉間。部活遅刻だぞ」
「あんたの元彼の面倒みてたんです!大変だったんですから。」
「アイツに・・・・・・何かあったのか?」
「あー。倒れたんスよ。栄養失調で」
「は?栄養失調と無縁そうなやつだぞ?」
「あんた同じクラスだったのに見て分かんなかったんですか?あんな青白い顔でよく生きてるなーって思いましたもん」
「なんで・・・・・・」
「は?」
「なんで俺が捨てられなきゃいけないんだろうな。」
「は?」
「俺が近くにいたら・・・・・・ずっと傍にいてやんのに・・・・・・」
「一応言っておきますけど俺先輩と付き合ってませんからね?巻き込まれただけですからね?」
「あ?んなの見て分かる。何年詩と一緒にいると思ってるんだ。」
「・・・・・・なら仲直りも時間の問題っスね」
「あ?」
「じゃーまた。先輩、」
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