ブルーベリー依存症

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『ほら、お茶』


私の家には母親が毎日のようにいる。よく家に親がいないから来ていいとか何とか言う人がいるけど最早どちらの親にも公認な私達は堂々といつでも家に行き来していいのだ。


「サンキュー」


私は篤志の向かい側に座ってお茶の入ったコップに口をつけたけど目の前の彼はいつもの如く不貞腐れていた。


「・・・・・・おい」


『ん?お菓子食べる?ビスケットあるよ?』


「ちげーよ。何で向かい側な訳」


『何となく』


「隣」


『・・・・・・もう・・・。今行きますよー』


座ったまま体をずらして横に行くと、篤志は満足したように私の腰に腕を回してきた。


『セクハラですよー』


「うるせー」


学校で発散出来ない分、他での密着率が半端ない。最近は部活も忙しいらしく学校以外で会えないために家に来たのも随分久しぶりだった。


「詩」


『何・・・んむっ』


カシャリッ


名前を呼ばれて振り向くと押し当てられた唇。そしてシャッター音・・・・・・。え?


「よし。保存」


『あんた何してんのおぉぉ!!』


「あ?倉間に見せるんだよ。証拠写真」


『消しなさい!』


「やーだね。」


篤志の携帯を取り上げようと手を伸ばすけど避けるのが早いくて取れない。勝ち誇った顔の篤志はいつの間にか下にあった。


「おーおー。大胆だな詩」


『ち、違っ///』


私が押し倒したような状態になっているのに気づいて慌てて飛び退くと、ゆっくり起き上がった篤志は携帯を自分のズボンのポケットにしまいこんでしまった。これでは取るのは難しい。


「ほら、取ってみろよ」


『ああぁぁ!もう!』


私をからかうのがそんなに楽しいのかと問うと楽しいと真顔で返された。
学校以外でも名字で呼ぶよと脅したら苦虫を潰したような顔をして携帯を献上した。さっきの写真を消去するのと、ついでに待ち受けになっていた私の寝顔写真を高速で消して渡すと頬をつねられた。


油断も隙もない・・・


201111152117

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