ブルーベリー依存症
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「おい詩」
『学校では名字で呼んでね南沢。』
後ろの席で拗ねて不貞腐れる私の彼氏、南沢篤志には目もくれずに私はさっきの授業で解けきれなかった数式を解いていく。
さて、恋人であるにも関わらず学校では名字で呼ぶのはなぜか。それは・・・
「南沢君!さっきの問題教えてほしいんだけど・・・」
「私もー!」
彼はめちゃくちゃモテるのだ。
そんな奴と特に可愛くも美人でもセクシーでもない私が付き合ってるのはやはり不思議な事で。もしも学校でイチャイチャしたりでもしたら速攻女子の怒りの餌食だ。
私も最初は篤志の事はオーラが半端ないしクールで近よりがたいなとは思っていた。でもどうだろう。あいつから告白されて付き合ってみたら甘えん坊だし独占欲強いしすぐ拗ねるし・・・とにかく子供だった。
「丁度詩・・・・・・中原が解いてるしそれ見せてもらえば」
名前を呼ぼうとした篤志をキッと睨み付けると渋々呼び方を変えた篤志だったけど次に睨まれるのは私の番だった。そりゃ南沢に聞きたいんだもんね。私邪魔ですね・・・ハイハイ。
『南沢が聞かれてるんだから南沢がノート見せてあげなよ。解けてるでしょ?』
「チッ・・・ノート貸すから自分で考えろ」
二人の女の子は愛しの彼のノートを貸してもらいご機嫌。キャーキャー騒ぎながら自分の席に戻っていく。
「・・・・・・うるせ」
『はいはい。よく我慢しましたー』
「・・・・・・」
髪のセットを崩さない程度に篤志の頭をポムポムと宥めるように叩くと、彼はそのまま机に突っ伏せた。
「詩、寝るからノートとっていて」
『は・・・はぁ!?ちょっ・・・寝てるし・・・。てゆーか名前で呼ぶなって・・・はぁ・・・いいや。おやすみ篤志』
「・・・・・・おやすみ」
『起きてるじゃん』
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