ひとりじめ♪
□ひとりじめ1
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おれ、井塚梢(しょう)。
高校3年生。
男。
サッカー部(…を昨日引退した)。
人当たりのいい性格に悪くない容姿。
成績もそこそこで、おまけにスポーツ万能。
女に告られたことは数知れず、それに比例して女を泣かせたことも数知れず…(たまーに男も混ざってたりする…)
そんな告り知らずのプレイボーイで通ってるおれが、今、一大決心をしたのだ!!
あいつらに…
上原一耶(いちや)と牧場麻架(あさか)にコクる!!
***
「一耶♪」
さっそく同じクラスの上原一耶くんから声かけスタート!
一耶はキレイな顔つきで、どこか儚げな美形だ。
ちょっと茶色い髪は少し天パがかってくるくるで、思わず指を絡めたくなってしまう。
言っとくけど、おれはホモじゃない。
恋愛に性別なんて関係ないって主義なだけ。
「…あ、梢…どうしたの…?」
眠そーに目を擦りながら、おれを見上げる一耶。
少し涙目になってて可愛いんだけど///
しかも上目遣いw
おれは内心身悶えながら、続けた。
「あのさ、学校探険してたら、昼寝にもってこい!ないいとこ見つけたんだけど、放課後行かない?」
「え?…どこ?」
よし、食いついた!
「それはお楽しみ♪けっこう穴場だと思うよ」
「行く」
思ったとおりの即答。
いつもはぼーっとしている目に、今はキラキラした光が宿っている。
「じゃあ、下駄箱集合ってことで」
「わかった」
あっさり言う一耶。
一耶、昼寝好きだもんな〜
ま、これからはおれを好きになってもらうけど♪
ということで、これで一人めはオッケー!
おれは手を降りながら一耶と別れ、麻架を探すべく隣の教室に向かった。
こっちは手強そうだな〜…
なんて思いながら。