novel♯

□恋愛ストレス
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イライラ、イライラ。



イライラ、イライラ、イライラ。















恋愛ストレス 1

















「何やってるんだよ〜リンク!」


「わりぃ!でも味は良くなるんじゃね?」



今日の食事当番は、
マルスとリンク。

大乱闘の世界では、
皆が一つ屋根の下で
暮らしている。

生活のメインは乱闘だが、
日常生活の家事は、
メンバーが交代で行う。






二人の和気あいあいとした
厨房でのやりとりを

それはもう面白くなさそうに
見ている青年がいた。





「イライラする…」



なぜかはわからない。
でも、マルスと誰かが
笑い合っているのを見ると、
とても腹が立つ。

なぜかは…わからない。






「おい。」


「あれ、アイク?
 今日当番は僕たちだよ?」


「……。」

思わず二人の間に入っていくが、
そこから先は考えていない。


アイクの不機嫌な様子から、
リンクは「ははーん。なるほどね。」
なんて一人で納得して
ニヤニヤしている。





「腹減った。」


…ちがう!
腹が立つんだ。
と、口では言えない。



「なんだよー、もうすぐだから。
 ちゃんとテーブルで待ってて?」


マルスは無意識だろうが、
少し首を横に傾けて上目遣いで
アイクを見上げる。

身長的にそうなってしまうのだろうが、
アイクにとっては、破壊的である。






「そーだぜー。
 料理の邪魔すんなよ。
 腹ペコ団長さん?」


料理というか、俺たちの邪魔?

そんな思いも醸し出しつつ、
リンクはアイクを追い出そうとする。




イライラ、イライラ…


   プツン。














「ちょ、アイク!何してるんだよ!」





気が付いたらリンクを殴っていた。

殴られた瞬間に唇が切れたようで、
リンクの口元には血が垂れていた。



「まじ勘弁しろよ…」

プッと血と唾を吐き出して、
アイクを睨みつける。



「リンク大丈夫!?」

マルスが慌ててリンクに近寄り、
タオルで口元を拭っている。






イライラ、イライラ。








もう自分がわからない。

この苛立ちどうすればおさまるんだ?





「アイク、もうあっちに行って!」







マルスにそう言われて、
とてもショックだった。

だがこれ以上ここにいると、
本当に嫌われそうで、

無言のまま、その場を去った。







イライラ、イライラ。




…ズキズキ、ズキズキ。





苛立ちじゃない。

苦しいんだ。


なぜかは…わからない。
























「ほんっと、素直じゃねぇ奴。」


軽くうがいをして、
殴られたところを冷やしながら、
リンクは愚痴をこぼした。





「アイクのこと?」


「あ…あぁ、まぁな。」




「そうかな?
 ある意味素直じゃないかな?

 …でもいくらお腹空いたからって、
 そんなイライラしなくてもいいのにね。」







いや、そっちか。

これじゃあ、

同情せずにはいられないぜ、アイク。















**********

リンク→マルス←アイク
な構図が大好きです。

王子が一番素直です!
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