そもそも俺、人が嫌いなんで。
□うざうざでぐだぐだな夏休み
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「悪い。オレ、空気読めてなかったか?」
北条がちょっと困った様に笑いながら聞いてきた。ガタイ良いのに小さな事にも気がついて配慮出来るイイ奴。
「いや、あの瞬間空気を読めていたのはお前だけだ。」
二人で小さく笑い、食堂へ向かう。
ここは全寮制の小中高一貫型男子校。
俺は小学校からここにいるが、年を重ねるにつれゲイやらバイがうようよいる様な学校になってしまった。
さっき俺を囲んだ奴らは大体幼い頃から知っているが、クラス数がバカみたいに多い為遠くで見たことが有るか無いかぐらいだ。
学年違う人も何人かいたはず。
「つか、何?海原告られてたの?ナンデ?」
北条がトレーを隅の方のテーブルに置き、尋ねてきた。
俺が聞きたい。
「さあな」
北条は王道転校生とほぼ同時に、ビミョウな時期に転校してきた為、ここがどんな所なのかよく分かっていないのだろう。
「お前って女だったの?」
んなワケあるか。
「そう見えますか」
「い、いいえ…」
「ですよね」
俺は頬を引きつらせながら笑う。
北条、見損なったぞ。お前はもっと頭が良かったハズだ。どうしたんだ北条。
この学校の編入試験をパスしたとは思えないほどのお馬鹿な質問だぞ北条雅久。
「さっきの奴ら、夏休み帰省しないんだな」
そうだ。今は夏休み。
普段は俺と北条ともう一人でB娘@をやっているが(ここ、笑うとこ)、もう一人の奴は実家に帰っていて今はいない。
同じ様にあいつらも家に帰ればいいのに。
もう帰って来なくてもいいのに。
「やーん!シュウたんたら辛辣ぅ〜」
いきなり後ろから抱きつかれた。
ああ、誰だよお前ほんと母親の子宮帰れ。