そもそも俺、人が嫌いなんで。
□うざうざでぐだぐだな夏休み
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「シュウ!なあ!俺の話聞いてんのかよ!?」
ああ、タックル?
痛いから。ていうか耳元で叫ぶのとかもやめて欲しい。うざい。
シュウってのは俺。
海原シュウ。
俺の名前。
で、俺がなぜ今、全校生徒(男子校)あこがれのマト、生徒会と風紀委員長・副委員長・五月蠅い転校生がつくる円のなかに居るかと言うとのは、今まさにフルボッコにされようとしているから。
…ではなく…
「「「好きです!付き合ってください!」」」
全員から同時に告られているから。
「そもそも俺、人が嫌いなんで。」
「「「!?」」」
へっとか、はぁとか間抜けな声が同時に聞こえた。
「だから『好き』とか『付き合う』とか無理です」
俺の母さんが大好きであろう、イケメンな顔達がいっせいにアホ面になる。
なんだこれ…楽しい。
そうだよな、だって一生モテ期(男女問わず)なボンボンたちだもんな。俺みたいな平凡顔に振られるなんて露ほど思っていなかっただろう。
「シュウ?何してんだお前飯行くの?行かねぇの?」
背が高く、がっしりした体格の友人、北条雅久がセルフ染めの為少し斑な茶髪をガシガシしながらやってきた。
と、同時に生徒会・風紀・王道転校生の全員からの『空気読め!』的な視線を浴びていた。
お前らが空気読め。ナイスだ北条雅久。
「俺、腹減ったんでこれで。」
ボクがおごります!とか、一緒に食べよーゼ☆とか、オレを食べろよ!とか聞こえたが、俺は全身全霊のスルースキルを発揮した。