短編

□清掃員さん
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「君の掃除はいつも念入りだよね。チリひとつ残っていないよ。」


なんやかんやで似た境遇に会い、なんやかんやでこのボンボンなおぼっちゃま達が通う大きな全寮制男子校の職員となった調理員の男に話しかけられた。


「そうか?」


仕事なんだから当たり前だろ、なんていいながら内心ちょっと嬉しかったり。


「うん。生徒たちがメイドにしたいって言ってた。」

「げぇ…趣味わりぃな。」

げえ、さすがゲイがウヨウヨいるだけあって変な事想像してんだな、きもい。


「という訳だからさ、これ着て僕の部屋掃除して?」

意味がわからん。どういう訳だ。

「ピンクのメイド服なんか初めて見た…自分で買ったのか?」

「もーそこはスルーしてよ!あ、ここは空気的に了承しないと駄目だからね。」

「誰がするか。つか俺、そんなに掃除好きじゃねえし。」


仕事だから頑張ってるだけだ。
それに、理事長さんには恩がある。


「えー嘘だー」

「俺の部屋来て見てみるか?」

「ラッキー!行く行く!」


ラッキー…?
まあいいや。

で、俺の部屋についた。
歩いてる間、この調理員の男はずっと鼻歌歌っていた。なんだこいつ。

ドアを開け、男の顔色をうかがってみる。
すると、唖然とした顔で小さくこう言った。

『ホントにひどいなここ…足の踏み場ゼロじゃん…』


おいお前、心の声ダダ漏れだぞ。



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ずぼらな清掃員さん
 

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