桜雨

□第4桜
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 なんなんだよ。
 怒りで廊下を歩く足が速まる。
 なんで怒るんだよ。なんで志摩と一緒にいちゃだめなんだよ。
「くそっ」
 裏切られたような悔しい気持ちが込み上げる。近くにあったごみ箱を蹴る。
 見事にごみが散らばった。
「やべっ。あーもうっ」
 倒れたごみ箱を立て直し、慌ててごみを拾う。
「奥村くん?」
顔を上げると、志摩がこちらに歩いてくるのが見えた。
「志摩……」
「どうしたん?」
「いや、ちょっとかっとなって蹴っちまって、さ……」
「なるほど」
 よっこらしょ、としゃがみ、志摩もごみを拾いだす。
「お前、もうすぐ授業始まるぞ?」
「奥村くんかて、この量のごみ1人で片付けとったら遅刻するやろ?」
「……ありがとよ」
「どういたしまして」


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