青春デ日常!

□初めまして、
1ページ/2ページ

初めまして、

涼子「ふぁぁ…んー、眠いけど緊張するなぁ……!」

(昨日の夜、いつもより早めに目覚ましをセットしたけど、それより30分も早く起きてしまうとは思わなかった…。
そのせいで眠いし……。)

涼子「今日から高校生って、実感ないなぁっ…と!」

涼子は大きく伸びをしながら呟く。

(気持ちいい。
朝の少し冷たい風が、緊張した頭をゆっくりと溶かしていくみたいだ!

今日は、「私立成山高校」通称なる校の入学式。
家に近い、設備が良いなど、理由はたくさんあったが、とにかく私はレベルが高い方であろう、なる校を受験した。
結果は合格だったけど、それまでの数日間の努力は身を削るものだった…。
というか、元々、私の頭が悪いせいだけどさ、だって勉強嫌いだし←
当日は結局、徹夜続きと極度の緊張のせいで絶不調。
無理かもって思ってたのに通ったのは、まさに奇跡だと思う。

そんなこんなで、今日。
私は、なる校の門をくぐる事になったのです!)

涼子「…そういえば、入学式って何時からだったっけ?」
「8時からだったと思うけど?」
涼子「へっ!?」

突然、後ろから見知らぬ少女の声が聞こえた。
口ぶりからして涼子と同じく新入生だろう。
涼子が驚いて振り向くと、そこにはロングヘアの綺麗な顔立ちをした1人の少女が立っていた。

「だから、8時からじゃなかった?…入学式」
涼子「あ、ありがとう、えぇーっと…」
静花「別にいいよ。
   …あ、アタシは仁田静花って言うの!
   よろしくね」
涼子「静花、ちゃん…。
   私は間庭涼子!こちらこそ、よろしく!」
静花「呼びやすく呼んでいいよ?
   気にしないし」
涼子「えっ、いいの!
   じゃあ………、しーちゃんでもいい?」
静花「うん、いいよ。
   アタシは涼子って呼んでもいい?」
涼子「うん!」

雑談をしながら靴箱まで行く2人。
初めて出会ったというのに、2人とも思った以上に話が弾んだため普段よりテンションが高くなっていた。

涼子「あ、そういえば、クラスって何組?
   私、3組なんだけど…」
静花「ホント!?
   アタシも3組なんだぁ…!」
涼子「わぁ…!良かったぁ!
   知り合いが、ほとんどいないからさぁ…不安だったんだよね…!」
静花「アタシもアタシも!
   もう昨日から、新しいクラスに馴染めるか緊張してて…!」
涼子「一緒一緒!」

和やかな雰囲気で話は続く。
クラスにつくまで2人の笑顔は絶えなかった。

静花「あ、もうついた」
涼子「話してたら、ちょっとだよねー」
静花「うん!…って中に誰かいる……?」
涼子「あ、ホントだぁ。早いね」
静花「ね、誰だろ」

そう言って、静花はドアに手をかけて、勢い良く開けた。

「あっ…」
静花「おはよー^^」
涼子「まだ7時35分だけど…どうかしたの?」

涼子が教室にかかっている時計を見ながら、自分の席であろう机に座っている少女に問う。

「あー……いや、ただ単に早めに着きすぎちゃっただけなんだよね;」
涼子「無駄に早起きしちゃったり?」
「そうそう!2人も?」
静花「うん、まぁ…そんなとこかな;」
涼子「いつもより30分も早く起きちゃって…;」
侑「フフッ…似た者同士なのかな?
  あ、ボクの名前は城崎侑だよ」

侑につられて、2人も順に自己紹介をする。

侑「間庭と仁田、ね!わかった」
涼子「侑、かぁ…。
   あっ!いーちゃんって呼んでもいい?」
侑「うん、いいよ」
静花「可愛いね、アタシも、そう呼んでいいかな?」
侑「どうぞ、ご自由に」
静花「ありがとう^^」
侑「いいって…^^;」

3人で談笑していると、時間が過ぎていくたびに、少しずつ人が増えていく。

涼子「あ、もう55分だぁ…」
静花「そろそろ席につく?」
侑「そうしよっか」
涼子「じゃあ、また後で^^」
侑「うん!」
静花「じゃ」

2人と別れて涼子が席に着くと、担任であろう教師が1人、教室に入ってきた。
それまで騒がしかった教室も、一気に静まる。

「えー、今日から、お前達の担任の相じゃっ…///」

不覚にも和んだ(by.3組の全生徒)

相沢「……担任の相沢 清澄(あいざわ きよと)だ。
   よろしくな」
男子「センセー!噛んだんですかー?」
相沢「うるさいっ!先生も緊張してるんだっ!///」
女子「センセー可愛いー^^」
相沢「かーらーかーうーなー…!」
男子「センセー何歳ですかー?」
相沢「ん?先生は27歳…って今これ関係ないだろ!
   今から入学式について、説明するから聞いとけよ?」

相沢がそう言って、クラス内が静かになる。
話は5分程度で終わったが、大半が聞いていなかった事だろう。

相沢「さてと…、お前ら、廊下に並べー!
   そろそろ入場だ!」

涼子が廊下に出ようと席を立つと、侑と静花が駆け寄って来た。

静花「先生、可愛かったねww」
侑「そうだねw」
涼子「あんまり厳しそうじゃなくて良かったね!」
静花「先生って、あんまり先生って感じじゃないもんね^^」
侑「あ、じゃあさじゃあさ!呼び方は相沢ちゃんで、どう?」
涼子「可愛いっ!
   相沢ちゃんっていいね!」
静花「後で皆に広めてあげましょ♪」
侑「じゃ、また入学式が終わった後に^^」
静花「オーケー!」
涼子「ん、わかった!」

全員が並び終わると、すぐに入場が始まった。

涼子(うぁー…やっぱ緊張する;
   ……ん?)

涼子の4〜5人前に黒髪の背が高い男子がいる。

涼子(何あの人!背たっかい!!
   男子は基本的に身長高いけど、ずば抜けてたっかい!!)

涼子は興味深そうに名前も知らない彼″を見る。
後姿だけを見てもかっこいいであろうと推測出来る背中。
クラスでは1番か2番目には高いであろう身長。
服装も私服だが、黒の長ズボンにオレンジ色のノースリーブパーカー、その下には白の長袖Vネックシャツを着ている。

一瞬だけ振り向く。
無表情だったが、同性でもかっこいいと思うであろうレベルの顔だった。

涼子(かっこいいなぁ……///)

涼子は少しだけ顔を赤くしながら体育館に入って行った。

次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ