頂き物&捧げ物

□茶飯事
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[茶飯事](1/6)




「ただいまー」

疲れた体を引きずるように家の中へ入る。
後ろ手に玄関のドアをゆっくりと閉めれば
幼さを残した少年が走り寄ってきた。

「お帰りなさい、マスター!」

「ただいま、レン」

出迎えてくれたのは我が家のアイドル…
主に、私のアイドル、レン。

抱きついてくるレンを抱き締め返す。
するとレンは「えへへ」と笑った。

このやりとりで想像出来た人も居るだろう
我が家のレンは所謂“ショタレン”なのだ。

胸に顔を埋めるレンを目一杯愛でていると、
玄関にもう1人現れた。

「お帰り、マスター」

私の前に立つなりそっけなく言う。
彼の見た目はレンと同じ、しかし身長はレンより高く、
雰囲気も言動も行動も、レンより大人びている。


実は我が家にはレンが二人居るのだ。
“ショタレン”と“ツンデレン”。

同じレンのため私は
ショタレンは「レン」、
ツンデレンは「レン君」と
呼び方を変えている。

「ただいま、レン君」

「遅くなるって聞いたからご飯、作っておいたから」

そう言いつつレン君は私からレンを引き剥がした。
そのままレンを担いでリビングに戻っていく。

私も彼等を追いかけてリビングに入っていった。
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