Eyes Of The Unknow

□希望
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"誰にでも希望はある"


そんなのは嘘だ。


私には何も無い。


"希望"は"実現"できないのである。





























「今日もお留守番頼むで。」




私の頭を優しく撫でる。

鳥肌が立ち、寒気と吐き気に襲われる。

こいつの指一本一本が、掌が、瞳が、私の体を駆け巡る。









『はい、市丸様。』



嫌々返事をする。

しなければ私はまた闇に連れて行かれる。









「もう逃げへん様にな。ま、逃げれへんやろうけどな。」



そう言うと、こいつは私の腕、足に手錠をする。腰には重い鉄の塊が付いた鎖を着けられる。









「ほな、言ってくるさかい。」


そう言うと私に近づいて来る。





























「愛してるわ。」


言われても吐き気しか起きないこの言葉。

でも、返事をしなければ。




『私もです、市丸様。愛しております。』


毎日毎日このやり取り。

もう死にたい。

死んだ方がまし。

























"希望"とは ヒトが勝手に創った"偶像"にしか過ぎない。

"希望"が無ければ 生きていく価値も無い。














私には"希望"が無い。


生きていても 死んだも同然。



























"希望"は 持つ事も簡単。

     奪う事も簡単。
















手に入れても 奪われる。


それの繰り返しが


今の私。































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