We are HEROS!?

□〜正義(?)の海賊、登場!〜
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―――いつの日だったか、アメリカが作ったというヒーロー映画をアメリカと一緒に見ていた。その映画は、カッコつけでそのくせヒーローという割には強くない。正直言って少々格好悪い男が主人公だった。イギリスはため息をついて言う。
「お前、こんな主人公の設定でよくヒーロー映画を作ろうとしたな?」
「なんで?格好いいじゃないか!」
「どこがだよ!ヒーローのくせにミスするわ無駄にカッコつけてるわでまるで駄目じゃねぇか!」
「そう?最終的にはミッションクリアしてるぞ?」
「そりゃ、そうだけどよ…」「分かってないなぁ、イギリス。ヒーローはちょっとくらいカッコ悪いほうが最高にカッコ良いんだぞ?」
アメリカは人差し指をたてブンブン振り、にぃっと笑った。イギリスは「なんだそりゃ」と言いケラケラと笑った。ゆったりと時間が流れている、平和な、昼下がり―――





「ギャァアアア!」
不意に響いた断末魔にアメリカは目を開く。目の前には先ほどまで自分を撃とうとしていた男が、血を流しばったり倒れている。
「俺の弟を傷つけんじゃねぇよ、×××野郎。」
後ろからコツ、コツと靴の音がし、アメリカの上に影が被さった。

「格好悪くて、何が悪い?」
ブンッと剣を降り、付いた血を払う。
「…イギリス。」
アメリカはゲホゲホとむせながらイギリスを見た。
「ヒーローは少し格好悪い方が最高にカッコいいんじゃねぇか。そうだろう?」
いつか、一緒にヒーロー映画を見たときにアメリカが言っていた言葉。
ニカッと笑いながら手を差し出すイギリスにアメリカは一瞬ぽかんとしたが、すぐにニッと笑い返し「何だ、分かってるじゃないか!」と言い、手をつかんで立ち上がった。どうやらイギリスは壁に飾られた剣を使っているらしい。剣を使うということは、海賊モードが入ってきているということだ。
『海賊モードのイギリスは強いんだけど暴れかねないんだよ…死人は出来るだけ出したくないなぁ』
しかし、助けに来てもらっている以上文句などいえない。何より海賊モードのイギリスはパブった時並に厄介で、アメリカでも止められたことがないのだ。
「おぃ、アメリカ!大丈夫か!?」
イギリスの声を聞いて、ハッと我に返る。
「あ、うん!」
「…ったく。ダメージ受けてるっつっても今休んでる暇ねぇんだからな!」
「分かってるよ!」
「…けど、我慢すんじゃねぇぞ。」
アメリカはハッとした。
…そうだぞ。
俺は今何のためにイギリスと日本を危険な目に遭わせている?こんな事起きるというのは重々承知だったはずではないか。自分の我が儘につき合って貰っているのに、自分は甘い事を言い、いつまでもグズグズして…

アメリカは目を右手で押さえ、思わず
「…バカだなぁ、俺」
と呟いた。
その言葉を聞いてイギリスはニヤリ、と笑みを浮かべる。
「さて、何度も同じミスすんなよ?アメリカ」
カチャリ、と音を鳴らして剣を構えたイギリスに
「君こそ!俺の足引っ張ったりしないでくれよ!」
とアメリカも銃を構えて言い返す。
「Ha!生意気な!」
二人はクククと笑った。
「「Good ruck!」」
そう二人が言った瞬間、敵が一斉に2人に襲いかかった。

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