Dead Fox

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残されたカインとベルナルドは取り合えず、座って皆を待つ事にした





「で、寝ないのかい?。マイスイート」





ベルナルドがそう言うので、カインはそっぽを向きながら答えた





「……寝ない。嘘ついたのは、今はお前と居たいからだ」



「……気ぃ遣わせたか」




カインの言葉に、ベルナルドはそう呟いた




やはり、疲れているのだろう




かなり声が重い





「今回の脱獄のルート、お前のトラウマともろ被ってたろ。俺が土に埋まった時、かなり慌ててた」



「……ああ。あの時は、かなり、焦ったよ」





そう言うベルナルドの顔は、かなり暗かった




ベルナルドは昔、俺と知り合ったばかりの頃に一度ムショに入った事があった




そこで、かなり酷い目に合ったらしく、それ以降、狭い場所や暗い場所が苦手になったらしい




知っていたのにフォロー出来なかった事を、申し訳なく思った





「………」





カインは無言で、ベルナルドの方を向くと、ベルナルドを頭を掴み、その頭を自分の膝の上へ乗せた





「カイ?」





どうしたのかと言う顔で名前を呼んできたベルナルドに、カインはまたそっぽを向きながら答えた





「今だけ、特別だ。俺の膝枕で寝て良い」





耳まで真っ赤にして言うカインに、ベルナルドは「……グラッツェ。愛してるよ、カイ」そう言い、目を閉じた




暫くすると、規則正しい寝息が聞こえてきたので、寝たのだと分かった




ベルナルドの顔に掛かってしまっている髪を退けてやりながら、起こさないようにベルナルドの頭を撫でてやる




さらさらと流れる髪が気持ちよく、ずっと撫でていたくなった





「……トラウマを知っているのは俺だけなんだから、素直に甘えれば良いのに。見えっ張りのちょいダメオヤジめ」





クスッと笑いながら、カインはそれを言うと、ベルナルドが良く眠れるよう歌を歌った







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