Dead Fox

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「よぉ、朝飯食いに行こうぜ」



「良いぜ」





ベルナルドに誘われ、カインは食堂へと向かった



食堂に着き、飯を貰ってから席に着くと、ベルナルドが話しだした





「カイ、お前最近ちゃんと寝れているのか?」


「ん?、何で??」





ベルナルドに言われ、なぜか聞き返すと、ベルナルドは俺の顔を触り、心配そうに言ってきた





「目の下、隈が出来てるぞ。あんまり眠れてないんだろ?」



「まあ、な。此処は人が多すぎる」





ベルナルドの言葉に、カインは苦笑しながら答えた




そう




ベルナルドに言われた通り、俺は眠れていなかった




人が多過ぎると、意識してしまってあまり眠れないからだ




まともに睡眠をとる事が出来たのは、ジュリオに膝枕してもらいながら寝た時くらいだ





「あんまり、無理しすぎるなよ。お前は何かと溜め込むからな。…たまには、吐き出せよ」



「その言葉、そっくりそのまま返してやるよ。アンタだってろくに眠れてないんだろ?」





カイがそう言うと、ベルナルドは一瞬んだけ驚いた顔をしたが、すぐに顔を元に戻した





「よく気付いたな。…ああ、お前は俺の《トラウマ》を知ってたな」





ベルナルドは苦笑しながら言い、そんなベルナルドにカインは溜息をついた




「お前こそ、大丈夫なのか?。此処は何かときついだろ?」





カインが心配そうに聞くと、ベルナルドはクスッと笑い、カインの頭を撫でた





「大丈夫だ。《此処》は《あそこ》程酷くないからな」



「……そうか、なら良かった」





ホッと胸を撫で下ろしたカインに、ベルナルドは笑いながら聞いてきた





「何だ?、心配してくれたのかいハニー?」



「お前のハニーはジャンだろ。…一応、心配はした」





最後の所を、少し照れながら言うと、ベルナルドはさらに頭を撫でてきた





「一応でも、心配してくれて嬉しいよ。ありがとう、カイ」



「べ、別に礼なんていらないっ!。……友を心配するのは当たり前だろ」





そう言うカインに、ベルナルドは「グラッツェ」と言うと、目の前の飯を食べ始めた




それに吊られるように、カインも飯を食べ始めた







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