Dead Fox
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囚人達に集めさせていた情報を一度整理させようと思い、片っ端から声をかけて情報収集していると、イヴァンがやって来た
「どうしたイヴァン、俺に何か用か?」
「……」
「?」
何も言わないイヴァンを不思議に思い、情報収集を早めに切り上げてイヴァンの元へ向かった
「イヴァン?、本当にどうした?」
「……カイン」
「ん?」
「……っ」
なかなか喋り出さないイヴァンのせいで、だんだん注目され始めてしまった
一旦移動しないとまずい
「…ちっ、来いイヴァン!」
「なっ!?、おい!」
イヴァンの手を取り、カインはその場を放れ、その場所から近かったイヴァンの房へと向かった
イヴァンの房へ着いた所で手を放した
「で、何の用なんだイヴァン。お前からわざわざ俺の所に来るんだ、用があるんだろ?」
そう聞いてやると、今度はちゃんと喋ってくれた
「俺が手伝える事…何かねぇか?」
「……は?」
コイツは今、真顔で何て言った?
カインが呆けていると、イヴァンが少し顔を赤くしながら、何故そんな事を言ったのか説明してくれた
「ジャンの野郎が、『カイが何か準備してるみたいだから手伝ってやれ』って言ってやがったから、何か手伝える事は無いかと思ってな」
ジャン…、良く気が回るな
ジャンにも感謝だが、ジャンの言葉を素直に聞いてくれたイヴァンにも感謝だな
「それは有り難いな。イヴァンに是非やってもらいたい事があるんだ」
「俺に…か?」
「ああ、きっとイヴァンにしか出来ないさ」
イヴァンにしかというところを強調して言うと、少し機嫌が良くなったみたいだ
「へぇ、良いじゃねぇか、やってやるよ。その俺にしか出来ない事ってのは何だ?」
「簡単な事だ。GDの連中のご機嫌取りをしてくれ」
カインがそう言うと、イヴァンが「はあ!?」と大きく叫んだ、…耳が痛い
「何で俺がそんな事しなくちゃいけねぇんだよ!!」
「はぁ、もう少し声を抑えろよ。…今、外が騒がしいだろ?。何に、中まで騒がしくなったらかなりめんどくさい」
イヴァンが納得するように、説明をする
「だから、これ以上面倒臭くなる前に手を打っておくんだよ。そうすれば、多少はマシになる」
「それは分かるが、何で俺なんだよ」
「本来なら、ベルナルドが適任だが、アイツは弁護士との密談で色々と忙しい。他の奴らはこういう事には向かないだろうが、お前は違うだろ?。だから、お前に頼むんだ」
さらに、「お前は出来る奴だって俺は思ってるぜ?」と追加してやると、さらにイヴァンの機嫌は良くなった
「ちっ、分かったよ。仕方ないから、俺がやってやるよ」
舌打ちをしながらも、引き受けてくれた
何て操りやすい奴なんだ(笑)
「ああ、頼んだぜ」
そう言い残し、カインは自分の房へと戻って行った
END
手直し 2012/05/20