アニメ補完計画

□夏美 今日の占い
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「それからそれから?」
「一番変わったのはドロロ君じゃないかしら?
 昔は本当に気弱で泣き虫でね。
 ケロロ君の無理難題に一生懸命付いていくんだけど…その度に危険な思いをしてたわ」
「あー…そうやってトラウマは増えていったのねぇ…」
「でも、その危険な経験がアサシンとしての、今のドロロ君を作ったのよ」
「うーん…結果的に良かったのかなぁ?」
「私はそう思ってるわ。
 経緯はどうであれ、アサシンとして優秀な戦士になれたからケロン軍にいられる訳だし、ここに来れた。
 そして、あなた達にも会えた。
 何よりね、私はまたあの三人が一緒にいられて良かったと思ってるの」

懐かしそうな瞳で少し遠くを眺めるプルル。

「一度軍に入っちゃうと、お互い任務で各地を回ったり、所属が違うから中々会えなかったりしちゃうのよ。
 あの三人は本当に仲が良かったから…、もちろん離れていてもお互いを想っていたみたいだけど。
 私ね、ここに来てあの三人を見た時、本当にあの頃のままだって嬉しくてホッとしたのよ。
 可笑しいでしょ?
 そういうことも全部分かった上で軍に入ってる筈なのに」

プルルの表情は笑顔だったが、複雑そうなものに見える。
今まで深く考えたことのなかった冬樹と夏美は、何故だか大きなショックを受けた。
日々のケロロ達からはそんな複雑さを感じないからだ。

「だからね…実を言うと私、地球に滞在出来ることになって少し嬉しいのよ。
 ケロロ君達がどう思ってるかは分からないけど、あの頃のメンバーが揃ったんですもの」

今度は心から嬉しそうな笑顔を向ける。
その笑顔につられて二人もホッとした様な笑顔を見せた。

「プルルちゃん達、本当に仲が良いんだね」

冬樹の何気ない一言。
それは夏美も感じていた素直な感想だった。
だが、実際に言葉としてそれを聞いてしまうと、何故だか複雑な気持ちになる。
そういえば、彼女もギロロに助けてもらったりしていたのだろうか?
そんな疑問が脳裏に浮かんだ時。

「―――好きだもの」

 
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