アニメ補完計画

□ギロロ くれたのは誰?
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――2月12日。

珍しくギロロ先輩がラボに来たと思ったら、何とも言いにくそうに「頼みがある」と言った。
武器の整備や侵略作戦の兵器依頼にしては様子がおかしい。
取り敢えず用件を聞いてみると、俯きながら「チョコに反応する機械を作れるか?」と小さな声が返って来る。
一瞬何を頼まれたのか分からなかったが、直ぐにピンと来た。
この時期地球では、“クリスマス”“正月”に次いで、異常に盛り上がる行事がある。

バレンタインだ。

十中八九先輩の狙いは日向夏美のチョコ。
その機械をどの様に使うつもりなのかはイマイチ分からなかったが、隠し持っているチョコを探す為だろう。
思わず噴き出しそうになるのを必死で堪え、簡単だという事を告げる。
先輩の顔はパァっと明るい表情になり、「本当か!?」と嬉しそうだ。
まだ作ってやるとは言ってなかったのだが…ここまで喜ばれてしまっては作らない訳にいかない。
ま、他の奴だったら報酬次第ってトコだがな。

「何に使うのかは知らねぇが、明日の朝には出来てるだろーよ」
「そうか!すまんな、クルル!!」

先輩は本当に嬉しそうに礼を言うと、ラボから出て行った。
見間違いじゃなければ、スキップまでしていた気がする。
普段の軍人姿勢からは想像が付かない位の行動に、またしても噴き出しそうになった。
そして、先輩の気配が完全に消えた頃、機械音しかしなくなった静かなラボに笑い声を響かせる。
 
 
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