アニメ補完計画

□小雪 普通猛特訓
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小雪をスパイにしようと企んだケロロ達を屋根の上に吊し上げ、夏美は買い物へと出掛けた。
これで邪魔をされたり、後をつけられる心配もないと思うと、足取りはやけに軽やかだ。
あとは小雪が変な影響を受けていなければと願う。

「夏美さーん!」

突然木の上から現れた小雪に驚くも、夏美は内心ホッとした。
いつも通りの彼女らしい登場の仕方だったからだ。
更に小雪は、夏美を抱えたまま凧で空高く飛び立つ。
完全に元に戻っている。
そのこと自体は嬉しいが、買い物は普通にと小雪を説得し、凧から降ろしてもらう。

「でも小雪ちゃん、アイツらに何させられたの?」

安堵の表情を浮かべて歩き出しながら、一番気になっていた事を聞く。
夏美は、ケロロ達が具体的に何をやらかしたのかを知らなかった。

「え?何って…普通の生活の仕方とか、普通の銃やパソコンの使い方とか、普通のデートとかですね!」
「普通のデート?」

小雪の普通じゃない生活の仕方を思い出したり、普通は銃を使わないと内心呆れていると、予想外の言葉が耳に届いた。
ケロロ達は小雪をスパイにしようとしていた筈。
それならば、生活の仕方などはともかく、デートを教える必要はない。

「はい!
 今日の夏美さんとのデートの為に、昨日ギロロと」
「え?
 …あ、あぁ、そ、そうなんだ」

意外な人物の名前に、またしても夏美はビクリとする。
普段から任務に真面目で、女の子に対しても免疫がない。
デートとは一番縁遠い気がしたからだ。

「その時、ギロロに“自分らしくやるのが一番だ”って言われて…。
 それで、私らしくいようと思ったんです!」
「そう…。
 ギロロが…小雪ちゃんをいつも通りにしてくれたのね」
「はい!
 デートもとっても楽しかったですし、今日は私に任せて下さいね。夏美さん!」
「う、うん。
 宜しくね、小雪ちゃん」

満面の笑みを向ける小雪に対し、ひきつった笑顔で答える夏美。
小雪に手を引かれて歩くも、頭の中は違うことでいっぱいだ。

「こ、小雪ちゃん。
 それで…デ、デートって、どこに行ったの?」

夏美の問に、小雪は昨日のことを思い出しながら答える。
小雪から聞いたデートコースはごくごく普通の定番コース。
ギロロがそんな定番コースを知っていたことにも驚く。
楽しそうに話す小雪の様子から、本当に楽しかったのだろうということも分かった。

「ギロロって、本当に良い人ですよね♪」

そういって笑顔を向ける小雪に、夏美は何も言えない。
取り敢えず、苦笑しながら目に入った店を指差さし、話題を変えた。

 
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