あおえく

□一生のお願い
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『ああああーっ、暑いっ!!』



初夏だと言うのにこの暑さ。


夏乃は団扇をあおぎながら隣にいる廉造にアイス買ってこい、と頼んだ。


「なんや、そんくらい自分で買えや…」



『い、一生のお願いだから!!』


廉造は乗ってた自転車を止め、「しゃーないなぁ」とぶつくさ言いつつも買ってきてくれる。





「ほれ。」



『ありがとーっ!!あ、自転車乗せてー』





「なに自然なノリで乗ってんねん。まぁ、ええけどな」



そう言って笑う廉造を不覚にもかっこいいと思ってしまった私は馬鹿だ。






すぅー…、と夏の風が頬をかすめる。



気持ちいいなぁ、なんて思ってると廉造からうめき声が。


「…夏乃、太ったんちゃう?」




『なっ、なんて失礼な!!///…そんなこと言ってると女子に嫌われるよ!?///』



それでも自転車は止まらず、坂を下っていった。


「あはは、堪忍な!!…せやけど夏乃に嫌われるのは死んでもイヤやー。」





『んー、なんでー?』



キュッと音をたて、自転車が止まる。





廉造はこっちを振り返り、


「好きやからや」

なんて真顔で言う。





『へ…!?///』




「なぁ、俺と付き合ってくれへんか?」






夢かと思った。


『嘘じゃ、ない、よね…?』






「本気や」



なんて言われたら恥ずかしすぎて顔をそむける。






「一生のお願いや…」



暑さのせいか頬が赤くなる気がした。






『…聞いて、やらんこともない…っ///』














(一生のお願い、あんなとこで使ってよかったのー?)


(夏乃だって「アイス買って」てゆうたやんか!!)

(…ぅ。)








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