鳴り止まぬ電話
電話がなりっぱって、いいことなのか悪いことなのか解らない。
とにかくアタシは解ったとだけ伝えた。
数分後再び電話がなる。
「お前んち、ついた」
とっちらかった部屋に、友人を入れ、アタシは話を聞くことにした。
「で、会いたいって何?」
友人は俯き加減で言った。
「前から思ってたんだけど。お前って‥タバコ吸いすぎじゃない?しかも何種類も」
アタシはうなだれた。
「アンタそんなこと言いにわざわざ来たの?」
そう言いながらアタシはタバコに火をつけた。
目の前にあったパーラメントlong。理由は…長くなりそうだったから。
「で、要件は?」
アタシは噛みたばこの常習犯だ。アタシのイラチと動揺の印。
「お前といると楽だから」
タバコのフィルターが潰れる音が耳に響いた。
沈黙が長く続いてアタシは言った。
「それって誉めコトバ?だとしたら、楽なアタシのいる、散らかり放題の楽じゃない部屋に、いつまでいんの?アタシ明日仕事」
自分が情けなかった。まるで自分自身への苛立ちを友人にぶつけてるみたいで。
消しては違うタバコに手を伸ばし、何かを飲んでまたタバコ。
アタシは答えを待った。
しばらくして友人が言った。
「適当に過ごしてそのうち帰るわ」
そういった後、そいつの寝息が聞こえた。
アタシはため息ついて、友人に毛布をかけ、
タバコに手を伸ばした。
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