突然

風邪ん時はメンソだな


確かにそうだけど、その時のPhilip MorrisのメンソほどスッキリしないPhilip Morrisは初めてだった。しかも風邪じゃないし。

ァタシはえづいた。

吐き気が込み上げて仕方なかった。

気分転換だ…

ァタシはふらっと外へ出た。蒸し暑い。

行き着いたコンビニで、ァタシは何を思ったか昔たまに吸ってたmallboroのICE BLASTのメンソールを買った。あとビール。帰ってゆっくりしよう。

自宅に帰って早速ビールと買ってきたタバコを吸う。久しぶりの味だった。煙があたしを取り巻く。もう何が何だか解らないまま、深夜を迎えた。
その時電話が鳴った。

今度は何…誰…

ァタシは着信を見た。

っっ…

声が出なかった。
着信は……昔好きだった人からだった。

「もしもし…」

ァタシは声にならない声で電話に出た。

「久しぶり、あのさぁ、俺今医者目指して勉強してんだわ。もう疲れちゃって、久しぶりに語らい合わね?」

…今日かった久しぶりのタバコと、今かかってきた久しぶりの人からの電話が脳内で重なった。

「へぇ…ァンタが医者に…凄いね。」

本当にそう思った。

「まあね。で、今からいっていい?」

「ん。近況を話し合うかね」

ァタシは引いた。
躊躇わなかった自分に。別にまだ好きとかじゃないのに。

「おう。じゃ今からいくわ」


ァイツが来るまでの間にァタシがした事。そこら中の服を押しのけて、バラまいた化粧品を箱に突っ込んで、さっき買ったばかりのタバコを吸った。時計の音が耳に痛い。

ガチャ…

しばらくして玄関のドアが開いた。

「よ。久しぶり。」

本当に久しぶりに見るその人は相変わらず優しそうな顔で、少し癒された。

「久しぶり。医者ってびっくりだわ。てかちょっと太った?」

ァタシは微笑みながら言った。

「太った」

その人は笑いながらタバコを出した。

ァタシはその人のタバコの真横に灰皿を差し出した。そしてァタシはまた汗ばんだ。灰皿を出したァタシの目に止まったのは、ァタシが今日久しぶりに買ったタバコ。

同じだ…。

タバコを吸うその人の前で、ァタシはあえて違うタバコに火をつけた。

同僚がまとめた箱の中から適当に選んだタバコ。KENTのメンソールだった。

「で、毎日勉強ばっか?」
久しぶりに見るその人の顔はやっぱり優しい顔をしてた。

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