ONE PIECE

□第5話
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ローがベルさんと部屋に行ってから少しして、すぐに島に着いた。


ペンギン「レイ」


船で少し黄昏ているとやってきたペンギン。


ペンギン「大丈夫か?」


ああ、やばいどうしよう、ペンギンやっぱりすごい男前だ。


ペンギン「レイ?」


泣きそうな私を見て不安に思ったのか、頭をポンポンと撫でるペンギン。


『ねえ…ペンギン………』

ペンギン「ん?」

『…ワーズがね、ローとベルさんが抱き合ってるところを見たって…』

ペンギン「ワーズが?」

『うん……。きっと…お互い好き……なんだよ……多分………』

ペンギン「…船長は――「レイ!」!!」


ペンギンの言葉が、ワーズによって遮られる。


ワーズ「ちょっと来てくれないか?」

『えっ?ああ…うん、行く…』


ペンギンの隣から移動しようとした時、ペンギンに腕を掴まれた。


ペンギン「………」

『?ペンギン…?』

ペンギン「…船長を、信じろ」


それだけ言うと、スッと手を離したペンギン。

…なんで……こんな時に……そんな言葉言うの……?

悶々としながらワーズに「部屋で話がしたい」と言われたので私の部屋に行く。


『?ワーズ、どうしたの急に』

ワーズ「……一緒に来る気になった?」

『…………』


ベルさんと…ローが…もしかしたら付き合ってるのかもしれない……

そう思えば思うほど、船に居ずらくなってくる。ベルさんが居ることによって、自分の居場所さえわからなくなってきてるのに。

この船に居る意味は…あるのかな………。

考え込んでいると、「レイ」と、柔らかな声で私を呼ぶワーズ。


ワーズ「辛いのに、無理する必要はないと思うんだ」

『………』

ワーズ「俺と一緒に世界を見よう」


そう差し出された手を、すぐ取ることはできなかった。

…不意に思い出したペンギンの言葉。

「船長を信じろ」


『…ごめん、やっぱり…行けない……』

ワーズ「どうして?」

『初めて出会った時、助けてくれたのは紛れもなくローだったし、この船に乗せてくれたのもロー。買い物だって付き合ってくれたり、医学だって教えてくれたのもロー』

ワーズ「……」

『ローには、感謝しかできない。だからこそ、私は彼に命を預けたんだ』

ワーズ「…辛いかもしれないよ?」

『いいの、船長の幸せを願うのも…クルーの役目だと思うから』


『だから、ごめん』と言えば、「そっか…」と困り顔のワーズ。


ワーズ「それは…残念だったな……ここで、トラファルガー・ローを壊してやろうと思ってたけど…」

『えっ?』


パチンッと音がした瞬間に透明の箱の中に閉じ込められた私。


『ちょっと!ワーズ!!どういうこと!!』

ワーズ「いやー、本当はね、俺ら海賊狩り?みたいな?」

『は…?』

ワーズ「ま、君に惚れてるのは本当だけどね」


ワーズはスッと手を伸ばすと、箱を貫通して私の頬に触れた。


『なんで…!』

ワーズ「なんで?…俺、ハコハコの実の能力者だからね。言ってなかったけど」

『チッ……』


風の力を使おうとすると、クラッとなり、膝をついた。


『な…っ!』

ワーズ「あ、やっぱりちょっとは効く?ベルのコナコナの実で作った麻痺の粉は」

『ーっ!はぁっ…はぁ…っ!』

ワーズ「あ、そうそう。風邪だったんだよね。ごめんね、もしかしたら状態悪くさせるかもれないけど」

『わー…ず……!!!』


ふふふっ、と笑うワーズはまさにベルさんそのものだった。


ワーズ「まあ、しばらく箱で大人しくしててよ。これで…2人で旅に出れるね」

『みんなには…っ、なんて、言うのよ……っ!』

ワーズ「"レイがしばらく1人で考えたいらしいから"ってだけ言っておくよ。あとは嘘なんてどうともなる」


ワーズがもう一度パチンッと指を鳴らすと一気に小さくなった箱。


ワーズ「ニヤ)まあ、予定とは若干違うけど…良しとしよう」


そう言って私を持って先ほどと同じことを言って船から降りたワーズ。


『(どうしよ………助けて…………………ロー……………)』
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