ONE PIECE
□第5話
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あれから、ローの治療によってなんとか前よりは顔色がよくなったベルさん。
ワーズというと結構船の雰囲気に慣れてきたみたいで、以前よりもよく喋るようになった。
『ねえ、気になってたんだけどワーズとベルってどういう関係?』
ワーズ「ははっ、俺達はただの幼馴染みだよ」
『へー』
食堂でワーズと2人で喋ってると気を利かせてくれたコックさんが紅茶とケーキを出してくれた。
それを食べながらまた話し込んでいると、ローがやってきた。
ロー「レイ」
『なに?』
ロー「ちょっと来い」
『えっ?ちょっ、ごめん!ワーズ!』
腕を引かれながら、振り返りそう言うと手をヒラヒラとさせ、ニッコリと笑っていた。
ワーズ「ニヤ)…やっぱりか…」
…ローの部屋に連れてこられるとベッドには可愛らしい寝顔のベルさんが寝ていた。
『ムッ)………』
って、え?なんだ今のこのモヤモヤ。
いや、ただ、知らない女の子がローのベッドに居るのが…あんまり……、
悶々としていると、ローがじっと私を見つめ話しだした。
ロー「そろそろコイツ目を覚ますだろう。レイ、部屋で一緒でもいいか?」
『えっ?…ああ…別にいいけど…』
ロー「悪いな」
『ワーズは?』
ロー「……ペンギンたちと同じ部屋だ」
おお、きっとこれはペンギンが言い出したんだねきっと。うん、用心深いペンギンらしいよほんと←
ロー「…お前、」
『?』
ローが言葉を続けようとした時―――。
ベル「ん…」
「『!!!』」
ベル「あれ…?ここ………」
『大丈夫ですか?』
ベル「えっ?あっ、は、はい!」
ロー「気分は」
ベル「あ………わ、悪くはない、です…」
ロー「そうか。熱ももう下がってるだろう」
ベル「あのっ!ありがとう…ございます…!」
ロー「…礼ならお前の連れとそこの女に言うんだな」
それだけ言うと部屋を出ていくロー。
ベル「あの、ありがとうございます!」
『ああ!いやいや!私何もしてないです!ローがずっと、看病して…くれてたみたい…で……』
ベルさんの顔を見ると、雪のような白い肌に、ぱっちりした可愛らしい目、クリクリのまつ毛、紅く染まる頬に、ぷっくりした薄ピンクの唇。
…やばい、めっちゃ可愛い女の子………。
思わず見惚れていると、「どうかしましたか?」とふわりとした優しい声。
『あっ、いや!何もないです』
ベル「あの…よろしければお名前をお伺いしていいですか?」
『あ、私クラウド・レイっていいます』
ベル「私のことはきっとワーズが喋ったのね…ほんとに……」
もう、と頬を膨らますベルさんはまさに人形そのもの。
『あ、ベルさん、よかったら私の部屋に移動しますか?ローの部屋、本ばっかりだしまず男の人の部屋だし…』
はは…と乾いた笑いで言うと、ふふっと笑うベルさん。
ベル「男性の部屋にしてはいい匂いするんですね」
少し鼻にきますけど。と付け足すベルさん。
…なんか………引っかかるな………。
なんでだろう……………。
ベル「レイさん?お部屋は…」
『えっ?あ、部屋隣なんです!よかったら肩貸します』
そう言って傍に行くと「大丈夫ですよ」と返事。
私の部屋に来てもらって、とりあえずベッドに横になってもらった。
『大して何もないですけど…すみません』
ベル「お気になさらず。すみません、お部屋借りてしまって…」
『いえいえ!とんでもないです!』
休養してた岩を壊したの私ですし…。
なんて言えず、何かあったら呼んでください。とだけ言い残して部屋を出た。
パタンッ…。
『……はあ……どうしたんだ、私…………』
ベルさん、可愛かったな…
と思えば思うほど募る不安と…
これはきっと………"嫉妬"という感情。
『……バカみたい』
私は食堂へと向かった。