ONE PIECE

□第10話
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燦々と太陽が照りつける中、洗濯物を干しているとニュースクーがやってきた。


『はい、ご苦労様』


お金を渡すとご機嫌よさげにまた飛び立つ。

洗濯物を干し終え、新聞を広げながら甲板の端へと移動する。


『へぇ…麦わらがねぇ……』

シャチ「おーい!レイ〜!洗濯物終わったかー?」

『終わってるよ〜!』


新聞に目をやりながら返事をするとこちらへ来ていたシャチ。


シャチ「何見てんだ??」

『新聞。興味ある記事ばっかりでね…』


と、ヒラリと新聞をめくれば、


『っっっ!!!』

シャチ「?おい、どうしたレイ?」

『なっ………んで……?』


自然と震え出す身体。

―――どうして………どうして…"あの街"が……?


シャチ「!!!レイ!!どうした!!おい!!レイ!レイ!!!」

『ごめっ……気分…悪い……』


フラフラと立ち上がりシャチに支えてもらいながら部屋に戻ろうとすると、丁度ローが来た。


ロー「!どうした」

『ちょっと…気分悪いだけ……』

シャチ「船長!レイの奴、新聞見た途端震えだして…」

『っ!!シャチ!!それはっ…!!!』

ロー「新聞…?」

『待って…っ!』


そんな言葉を聞き入れるわけもなく、ローが新聞を拾い上げ読んでいく。


ロー「……!」

『っっ、いいの、ロー…』

ロー「レイ…お前……」

『…シャチごめん……部屋に連れてって……』

シャチ「あ、ああ…」

『部屋で待ってる…』


なんとか部屋に戻り、シャチにお礼だけ伝えると、いつものように笑って「当たり前だろ」と返してくれた。

―――何を言うわけでもなく、聞かれるわけでもなく、でもきっとシャチが抱く私への疑心感は少しずつ溜まっているのだろうな。サンズの時も…はぐらかしてるし…。


『ごめんね…』

シャチ「いいさ、知ってるのは船長だけなんだろ?」


と私の頭をクシャッと撫で部屋を出ていくシャチ。

そして入れ違いで入ってきたロー。


ロー「新聞の記事…本当なら……」

『いいの。進路はそのままにして』

ロー「……」

『このまま……"スリラーバーク"を目指しましょう』

ロー「本当にいいのか…故郷が荒れてるんだぞ」

『っっ!!』

ロー「しかも…このマーク………」

『…?』


深刻そうな顔でバサリと新聞を横に置くロー。


ロー「進路を変える。行くぞ、星の降る街…"レインスター"へ」
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