第2章:秘密の部屋

□秘密:変身術
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昨日の出来事がまだ色濃く記憶に残っている中、授業は淡々と行われていた。
アリサとハーマイオニー、ハリーとロンはいつものように隣通しの席に座ってマクゴナガルが来るのを待っていた。


「穢れた血と一緒に授業を受けるなんてな。」
「クスクスクス…」


スリザリン席からヒソヒソ…ではなく本人に聞こえるように悪口が飛んでくる。


『卑怯にコソコソと人の悪口しか言えないのが純血なら、お断りだわ!』
「アリサ!」
『何?本当のことじゃない。胸糞悪い…』
「あなた、段々キャラが変わってきてない?」


思いの外口の悪いアリサに周りが驚いていると、マクゴナガルが教室に入ってきた。


「みなさん、授業を始めます。今日は動物に変身の術をかけてゴブレットに変えます。動物の準備は出来ていますか?」


マクゴナガルの変身術の授業が始まり、方法の説明を受けていく。


「では、実際にご覧にいれます。よく見ておいてください。ワン・ツ・スリー…フェラベルト。」


マクゴナガルが杖を振ると、見事なゴブレットに変わっていった。


「動物の特徴が出ていないこと、ゴブレットとしての完成度を見ます。さぁ、みなさんの番ですよ。」


マクゴナガルの言葉で、一斉に練習が始まった。


『フェラベルト。』
「わぁ、アリサすごいじゃない!」
「ミス・ヤシロ、綺麗なゴブレットに変身させれていますね。グリフィンドールに10点差し上げます。」
『やった!』
「んっんん!フェラベルト!」
「…」
「ミスター・ウィズリー、その杖は取り替える必要がありますね。」


褒められる者、やり直しの者…
練習をしている中で、ハーマイオニーが静かに手を挙げる。


「マクゴナガル先生!」
「なんですか?ミス・グレンジャー。」
「あの…秘密の部屋について聞いてもかまいませんか?」
「…ええ、いいでしょう。全員杖を机に置きなさい。」


マクゴナガルは静かに教壇の方へ戻り、話しを始めた。


「みなさんもご存知の通り、ホグワーツは1000年以上前に4人の魔法使いによって創設されました。
ゴドリック・グリフィンドール、
ヘルガ・ハッフルパフ、
ロウェナ・レイブンクロー、
サラザール・スリザリン、
みなさんの寮の名前にもなっている魔法使いです。この4人のうち、3人は意見もあり協調していましたが…ただ1人…サラザール・スリザリンだけは違いました。ホグワーツに入る生徒を選別すべきと考えたのです。魔法教育は純血の家系にのみ与えると…」
「まったくその通りだな。」
「あぁ。」


スリザリンの意思が伝えられると、スリザリン生は口々に同意する。


「ですが、他の3人が反対し彼は学校を去りました。そして、その時に城のどこかに隠された部屋を作ったと言われています。」
『それが、秘密の部屋なんですね。』
「その通りです。スリザリンは学校を去る前に部屋を封印し、彼の継承者が現れるまで開かないようにしたのです。学校側も何度も調査をしましたが、そのような部屋は見つかりませんでした。」
「先生、その部屋には何があるんですか?」
「伝説では、継承者のみが操る事の出来る恐ろしい怪物がいると言われています…ですが、何度も言いますがそのような部屋はありませんでした。」



「本当かな…」
『私は本当だと思うよ。』
「だとしたら、継承者って…」


マクゴナガルの授業を終え寮に戻る途中、アリサたちは秘密の部屋について考えていた。


「よく考えてみなよ。マグル出身のやつらを疎ましく思ってるやつは誰だ?」
「「マルフォイ。」」
『マルフォイが継承者ってこと?それは無いんじゃない?あんな腰抜け。』
「君、口が悪くなったね。」
『マルフォイ限定だよ。』
「なんとかして聞き出せないかな?」
「私にいい考えがあるの!」
『ハーマイオニー、まさか…』


「えぇ。ポリジュース薬を作るのよ!」


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